ブルベでの死亡事故について

国内ブルベ界でのこの話題を知らない人は恐らくはいないと思いますし、ブログに書くことが良いのかどうか躊躇っておりました。ですが自分の気持ちの整理と言う意味でも書き置いておこうと思います。
(以下の記述はあくまで自分個人としての考えであり、AJ広島としての公式の見解ではありません)

それは先月開催された400キロブルベでのことです。
足摺岬近くのトンネル内を走行していた参加者さんが、後方から来た軽トラックに撥ねられ救急搬送。翌日にお亡くなりになられました。

発生時刻は午後2時。軽トラックは事故後逃走。
後に警察に発見された加害者は66歳の漁業、無免許運転と酒気を帯びていたとの報道。

Wikipediaによれば国内のブルベは94年に始まったとあるが、国内初の死亡事故となる。
ブルベ仲間をこんな形で失うことの悲しさ。しかも過去にAJ広島ブルベにも参加頂いてた方だった。談笑したことは無かったかも知れないけれど、多分お逢いしている。
お歳も若く29歳。しかもこの日が誕生日だったとは何たる…

事故発生場所のトンネルは四国一周では定番中の定番ルート。
時間帯も昼間だしランドヌールだから反射ベストも着用してただろうし、テールライトももちろん。想像しかないがランドヌール側に非は無かったんじゃないだろうか。

例えブルベ中でなくても背後からクルマで突っ込んで来られたら誰だってひとたまりもない。本当に不運と言う以外にない事故…

事故の報道を受けTwitter界では多くの悼む声とともに、残された者たちは今後どのようにして安全対策を行うべきか論が交わされていた。
自分も同じランドヌールではあるが、末席ながらスタッフの立場でもあるので軽率な発言は控えさせて頂いてた。

記憶にある意見の幾つかを挙げると…

  • 100%加害者側が悪いので、自分たちは今まで通りで良い
  • 逃げ場の無いトンネル内で後方から来られたらどうしようもない
  • 車検基準を引き上げる必要があるのではないか。
    昼間もテールライト点灯・増強、後方確認用のミラー常備。
  • ルート作成でトンネルを入れない

くらいを覚えている。

確かに背後から来られたらどうしようもない、それはホントにどうしようもない。だから反射ベストやテールライトをつけている。
でも無免&飲酒野郎はそもそも人間としてマトモじゃないのでマトモな運転をしているかどうかは極めて怪しく、下手すりゃ居眠り運転だったかも知れない。「かも」の話を始めるとキリが無いが、もしそうだったら手の打ちようは無いよね。今の時代スマホ弄りながらのドライバーなんてのも幾らでもいるし。

歩道を走る?
自分が作るキューシートの場合、車道走行が禁止されている区間はその旨を記載するし、車道が極端に狭い場合や明らかに自動車の交通量が多い場合は歩道走行推奨の記述を入れるようにしている。
警察庁は『やむを得ない場合を除き自転車は車道が原則』と言ってるが、やむを得る場合なのかやむを得ない場合なのかのその場の判断は走行者自らに委ねられるよね。

今回、車道・歩道どちらを走っていたのかは分からないけれど、歩道を走っていたら死なずに済んだかのかどうかも実際のところは分からない。

車検基準引上げ云々ですがあくまで基準は本家フランスのACP基準であり、そこに国内法を加えたものだと思ってます。基準を満たさない装備であれば出走許可されないけれど基準の上限値は無いんだかから、テールライト2個(1つは点灯、1つは点滅)よりも多く装着されるかどうかは個人にて判断の上装着すべきものと考えます。大人ですから。
また、昼間であってもテールライトを点灯させておくことは追突防止には一定の効果はあると思います。そのように言ってる自転車メーカーさんもありますし。
ですが…ですが幾ら多くテールライトを装着しても100%事故を防げる保証は無いですし。

余談だけれど、シマノペダル用リフレクタなるものがあることをとあるTweetで知った。

シマノのSPD-SLペダルの下部に装着可能な反射板だ。
これは一考の価値ありと思うよ。自分の場合は(今のシューズになってからはやってないが)シューズの後ろ部分に蛍光テープを貼っていた。
やはりクルマから見て、黄色く光るものが互いに上がったり下がったりしているのを見つけると「自転車」って判断が早いと思うのよね。

ルートにトンネルを入れない?
素晴らしいですね!そのようなルートを設計して是非とも提案ください。

数年前に海外ブルベに参加していたAJ代表が、居眠り運転の大型車両に追突されてお亡くなりになられた事故がありましたが、海外と言うことでどこか対岸の火事みたいなところがあった感は否めないところがあったかと思います。
ですが今回、国内での事故と言うことで、みなさん明日は我が身感を感じておられるのではないでしょうか。

しかしブルベをやらない人から見れば、ブルベは危険な自転車の乗り方だと言う判断される方もあろうかと思います。むしろそのような言い方をする方が多いのではないでしょうか。

ではそう言われる方にお尋ねしたいのは、昼間だけ走る自転車は安全な乗り物でしょうか?ママチャリは安全でしょうか?歩道を歩いてるだけなら死なないでしょうか?自動車は安全な乗り物でしょうか?どのような趣味が最も死なずに済む可能性が高い素晴らしい趣味でしょうか?読書?映画鑑賞?運動不足でも早死にしちゃいますよ?

だったらいっそのこと核シェルターに死ぬまで閉じこもってましょうか。それがいい!そんな一生を選択する人を私は否定はしません。あくまで個人の選択ですからどうぞご自由に。私自身は絶対にイヤだけれどもね。

危険かどうかは言われなくともランドヌール・ランドヌーズ自身が一番良く知っています。自己責任と言うコトバは他人に向けて発せられるものではなく、自分自身に対して自問自答するコトバだと思ってます。

しかし今回亡くなられたランドヌール。
29歳…余りにもお若い…。ご結婚されてたのでしょうか…お子さんはどうでしょう…きっと親御さんもご健在なのではないでしょうか。
ご本人は勿論、残された方を思っても胸が痛みます。ご自身で加入されている保険が支払われることになるとは思いますが、命の重さと比較することは出来ませんよね。そういう意味ではブルベ参加はご家族の理解もとっても大切ですね。

ランドヌール・ランドヌーズ各位はご家族の理解のもと、参加されてますでしょうか。是非とも今回の事故の件をご家族とお話しになられてみてください。そしてご家族のご理解を得た上でのご参加を検討ください。
最悪の場合、ご家族だけが残される可能性がゼロではないと言うことです。
それを今回の被害者さんは身をもって私たちに教えてくれました。

私たちは彼の死をムダにしてはいけません。
各自それぞれの立場でこの経験を生かして行くことが、彼への最大の供養ではないでしょうか。残されたご家族への最大の弔いではないでしょうか。

どれだけ考えあぐねても完璧な正解は無いと思います。そんなものがあったら今ごろは自動車による死亡事故はとっくに撲滅されているでしょう。
いかなるリスクもゼロにはできないと言うことです。
でもリスクをゼロに近づけることはできると思います。

誰しも考えて行きましょう。
ブルベ走りながらも常に安全最優先を考えて走りましょう。何よりご自身のことですから。もちろんコース設計でも引き続き考えて行きます。

若きランドヌールのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

6件のコメント

  1. 重たいですねぇ
    私も嫁さんからは自転車はやめて欲しい、と言われてます
    谷垣さんの件が影響
    ロングのトライアスロンも、スイムの心配が大きいのでやめたら、とか言われてます
    トライアスロンは家に帰るまでがトライアスロン競技と言われてます
    危険なことは多いですが、自転車、トライアスロンやることで得てきたことは果てしなく大きい
    友人、自信、喜び等々
    何者にも代え難い
    気を付けながら、これからもやっていきたい、としか言えないかな⁉️

    色んなこと考えながら、やっていきたい
    考える契機を与えてくれて、ありがとうございます。
    ブルベも仲間と楽しくやっていきたい
    悲しい想いでは作りたくないですね

  2. トンネル内は歩道を作り自転車は歩道を走ることにすれば安全だと思うけど

  3. 吉田勝彦 さん

    そうそう、谷垣さんの件はショックだったよねぇ~…
    あの立場の自転車乗りが怪我されちゃったことで、この先の自転車行政が20年は後退してしまったんじゃないかと思ってます。
    色んな意味で期待していただけに悔やまれてしまいます…

    でもまぁアクティブ系の趣味はそのリスクを挙げればキリは無い訳で。危なっかしいものに惹かれると言うのも無くはないとも思いますし…難しいところです。
    お互い、これからも気を付けて趣味を愉しんで行きましょう。

  4. 先ず、この「こなきの’ドンマイFleche’」さんの記事を拝見する前に、「Audax Japan」の告知記事を見て驚きました。普通、他の「サイクルイベント」では落車による事故、軽症から重症、死亡事故などが起こっています。しかし、それらを開催した団体や自治体などの告知は見たことがありません。そういう意味で、ブルベ関係者は。紳士と言いますか、常識のある団体だなぁと強く感じ、その後に、「ブルベでの死亡事故について」の記事を拝見させてもらい、より一層、その思いが強くなりました。

    私は、ブルベには参加したことがありませんが、兵庫県姫路市から自走で、兵庫県、岡山、島根、京都、滋賀北部などの「ダムカード配布ダム」を全て巡ってきましたが、一番恐怖に思ったのはトンネル内での走行です。車道が狭く、自転車で走れないと思うところもありましたし、また、歩道は車道より高い位置にあり、狭く、水漏れヶ所も数多ありました。なので、途中から押し歩きしたこともあります。そういう時に何時も思うのですが、なぜ、転倒しても安全な高さの策で間仕切を設けないのだろうか?
    国や、行政などの責任は大ではないでしょうか。柵ぐらい造れよ! って感じです。

  5. ひげ さん

    コメントありがとうございます。以下のお返事も私個人の意見ですが…

    私の知る限り、他の自転車イベントでも大きな事故の際は告知されていると思いますけれど。サイト内にてご遺族の手記を拝見したこともありました。SNS蔓延のこの時代においていかなる事象も不都合な真実を隠し通せるはずもなく、透明性の高さこそが信頼を得るものと思います。

    道路の構造や路面の荒れ具合で事故が誘発されがちであることも勿論認識しております。
    行政も限られたリソースの中だけでしか対応できない中で、ことマイナー趣味な自転車だけにフォーカスした対応して行くことにも限界があると思います。雨、風、台風、自動車どうしの事故のとばっちり…路況は随時変化して行きます。それら森羅万象を踏まえた上で無事に帰宅するまでが趣味としての自転車。そう思います。

    ただ愛媛県だけは違いますね。愛媛の自転車に対する対応は正に神対応そのものです。他県の行政を大きく引き離してます。

    色々ありますが、お互いにこの先もいつまでも幸せな自転車乗りであり続けましょう。

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