呉ヘリテージ 第5回 今回は海の上から見学だッ!!

呉のヘリテージ(近代化遺産)を探す旅。今回が5回目の実地調査じゃ。
2008年1月28日。am9:30に呉中央桟橋ターミナル1階ロビーに集合。 

ちょっと出遅れた(汗
いつもの呉駅西の駐輪場に自転車を停め、急いで桟橋ターミナルに向かうと、もう既に沢山の参加者が集まっちょる。

呉中央桟橋ターミナル1階ロビー

いつものお馴染みさんの顔も多いが、今回は総勢52名(?)と、かなりの大人数。
船から呉市を眺め、大崎下島まで行き、御手洗で下船&散策。倉橋まで回り込んでから帰ってくると言う豪華コース。しかも、高速艇をチャーターするとなりゃ、そりゃ行く人多いわねぇ~。

am10:00中央桟橋から高速艇に乗り込みます。後ろに見えている潜水艦は、すっかり有名になったてつのくじら館。江田島航路と間違って乗り込もうとする人もおったw。

呉ヘリテージ、高速艇に乗り込む

本日のツアーは、ガイドが素晴らしい!!具体的にココでお名前を披露して良いのかが分かりませんが、3名の方が代わる代わるにとても丁寧で分かりやすいガイドがあるんよ! 

桟橋を離れた早々、IHIの建造中タンカーに最接近です。IHI、古い方には「呉造(くれぞう)」との言い方が馴染み深いかも。呉駅の方から見えているタンカーが左側のヤツ。これが300メートル以上の長さがあるらしいが、かの戦艦大和の全長は263mらしい。大和よりもこのタンカーはデカイのかっ!!
その大きさに圧倒されます。

呉ヘリテージ、IHIで建造中のタンカー

次は、IHIに隣接している自衛隊の艦艇です。軍事関係に詳しい人なら、これらの画を見て沢山語れるんだろうけれど、オイラは全然ワカランです。この後、係留している潜水艦にも、メチャ接近!!こんなところに入り込んでもいいの!?ってところまで船が入っていきます。

呉ヘリテージ、自衛隊の艦艇

その後は…
あぁ、見えてきた…休日には、あんまり見たくない光景。だけれど、いつもは丘から見てるから、海側から見るのも新鮮じゃったワ。ここも戦時中は呉海軍工廠製鋼部だったから、米軍からの空爆がとても激しい場所だったとの説明があった。へぇ~。

呉ヘリテージ、日新製鋼

音戸の瀬戸を過ぎて、警固屋ドックが見えてきました。船は急速に速度を上げて下蒲刈方向に向かいます。

呉ヘリテージ、音戸大橋を過ぎる

広湾のかなり沖を通過します。王子製紙(昔の東パル)の煙突が良く見えるね。今日は風が強いす。

呉ヘリテージ、広湾

船は本土から下蒲刈に掛かる、安芸灘大橋の下をくぐります。
いつもはこの橋をロードバイクで渡ってんのよね。当然、下から見たのは初めて。

呉ヘリテージ、安芸灘大橋の下を通過

上蒲刈の横を通過する際に、上蒲刈~豊島に掛かる工事中の豊島大橋が見えた。

呉ヘリテージ、工事中の豊島大橋

am11:15 船は大崎下島の御手洗桟橋に到着っす。一同、下船。

呉ヘリテージ、大崎下島の御手洗桟橋に到着

いゃ~、恥ずかしながら…実は大崎下島って初めて来たんよね。(当然、大崎上島も行ったこと無いorz)
未知の島、探訪ーッ!!(一人盛りあがり=恥)

大崎下島の良いところは、桟橋降りてスグが観光スポットなところ。まぁ船の交易で栄えたところだから当たり前っちゃあ当たり前なんじゃけれど、歩いて2分もしないうちに、ここは日光江戸村!?ってほどの町並み。しかも、この家々が今も生活住居として使われているってんだから、これまた素晴らしい。
現地のガイドさんの話に聞き入るヘリテージメンバー一行。

呉ヘリテージ、大崎下島観光

少し歩くと石造りの鳥居が見えてきた。「御手洗天満宮」である。かの、菅原道真公がここの井戸で手を洗ったから「御手洗」との地名が付いた(諸説あるらしいが)との説もあるらしい。

ガイドさんは沢山説明したいんだけれど、どうも船の時間が決まっていて、あんまり長居は出来ないらしい。
足早に移動し、若胡子屋(わかえびすや)跡の建物に到着。昔の遊郭じゃね。かなり補修しているみたいじゃけれど、立派な建物です。御手洗の往時を偲ばせます。

呉ヘリテージ、若胡子屋

内部も見学可能。なんか懐かしい雰囲気。講堂というか集会所と言うかに改装されているが、内部の装飾はとってもレトロ。遊郭2階部分を全部抜いて、このようなホール状になったとのこと。下の画、中央ちょっと右側、壁と壁の隅に小窓のようなガラス張りの部分がある。

 呉ヘリテージ、若胡子屋の内部

そのガラス張りの部分がコレ。何だか、文字が書いてあるけれど読めない。
この部分は遊郭時代の壁紙らしいのだが、「お歯黒伝説」と言うものかあるらしい。
リンク先のページでは、かなり簡単に説明されちゃってるけれど、ガイドさんの話はもっともっとおどろおどろしいものでした(怖

のた打ち回る、血のついた手で壁紙に触った手形が現存しているらしいが…
アナタは見える!?

呉ヘリテージ、若胡子屋のお歯黒伝説

若胡子屋を後にして、町並みを歩きます。
どーよ、このレトロな町並みは!!竹原や倉敷とほぼ一緒ですな。

呉ヘリテージ、御手洗の町並み

お寺に来た。ココは大東寺。残念ながら一休さんはおいでではない。

呉ヘリテージ、大東寺

境内には立派なクスノキがある。ファインダーに入りきりません。
根のうねりがスゴイ…

呉ヘリテージ、大東寺のクスノキ

本堂の中にお邪魔します。
ここも、伝統を感じる内装であるが、特に説明されていたのが欄間である。
頭が人間、体が鳥。「迦陵頻伽(かりょうびんが)」が彫り込まれている。

呉ヘリテージ、大東寺の内部

大東寺を後にし、次に訪れたのは「乙女座」。レトロな映画館といった感じの建物。

呉ヘリテージ、乙女座

乙女座の内部。みかん出荷が最盛期の頃は、みかんの選果場に落ちぶれていたらしいが、改装されて当初の様子を再現したものらしいが、レトロ感十分です。

呉ヘリテージ、乙女座

振り返ると、二階席もある。
笑点のテーマが聞こえて来そう…

呉ヘリテージ、乙女座

御手洗、現地ガイドの方。
ごめんなさい、お名前失念。

呉ヘリテージ、ガイドの方

この後、参加者全員でお弁当を頂いて、御手洗にお別れ。
再び高速艇に乗って、倉橋島方向に向かいます。

向かうは倉橋島、亀ヶ首の 旧海軍工廠大砲試射場跡です。
以前に訪れたことがあるこの場所ですが今回は海上からの視察です。

海上からだと単なる平地ですね。良くワカンナイや。撤収!!

呉ヘリテージ、亀ヶ首

間もなく、倉橋島界隈の採石場が見えてきました。
何とデカイ採石場や!山ひとつ削ってるやん!!

呉ヘリテージ、倉橋の採石場

続いて、塩の島で有名な三つ子島に来ました。
メキシコから輸入した工業用の塩(ナトリウム)が山積になってます。

呉ヘリテージ、三つ子島

塩の山の横には、戦時中の倉庫か何かの遺構が残ってます。

呉ヘリテージ、三つ子島

いよいよラスト。呉湾に浮かぶ小麗女島。呉から江田島に行くフェリーで近くを通るよね。
灯台だけがある小さな島です。

呉ヘリテージ、小麗女島

小麗女島に隣接する、大麗女島。こちらはちょっと大きくて、弾薬庫か何か良く分かりませんが、トンネル状のモノが7つほど見えます。
探検してみたいですねぇ~。ハイ。無理ですけれど..

呉ヘリテージ、大麗女島

この後、呉港に帰って来ました。

ん~、御手洗はヘリテージよりも、もちょっと時代が古いね。近代化遺産ってのとはちょっと違うと思うけれど、瀬戸内の歴史探訪って言う意味では、とっても楽しめたよ。

あと、船内でガイドを受けたんだけれど、ここら辺の島の山々には砲台跡が沢山あるとのこと。
呉湾の艦艇や工廠を守ってたんだね。

やっぱり、呉のヘリテージって海軍とは切っても切れない縁があるんよね。ソレは良いとか悪いじゃなく、呉に海軍が来たからこそ、今の呉がある訳じゃない。
だから、呉はそのことをもっと誇りにしていいんだと思う。佐世保や横須賀と比べて呉のスケールがデカイのか小さいのかは知らないけれど、呉のいいところを先ずは住んでいる人から認め誇りに思うことから始めるのが大切なんじゃないかな。

アナタの身近にも、普段の風景だから気がつかないけれど、実はヘリテージなモノが沢山あると思うんよ。
広にも、まだまだ沢山ある。ホームページではまだ公開してないけれどね。

ってことで、アナタの身近なヘリテージをケータイで撮影して応募しよう。
呉ヘリテージでは、今、「街角ヘリテージ」としてケータイフォトコンテストやってます。手軽に撮影して写メするだけで、豪華商品が当たるかも!!

呉ヘリテージ 第4回イベント

2007年12月15日(土) 呉ヘリテージの4回目のイベントに参加してきました。
ちょっとupが遅くなりましたけれど 当日の様子をレポートします。

13時、集合場所は市役所ヨコの呉市中央公民館1階の会議室。この丸い建物はすっかりお馴染みだけれど、ココの1階に来たのは初めてじゃった。こんな場所があったとは知らんかった…
(いつの間にか市役所の建物と公民館ホールの間の渡り廊下が切断されていて驚き)

三々五々、すっかり顔馴染みになった方々が集まるり、ミーティングが始まる。今日は幾つか候補はあるものの、明確な目的地は定めておらず、どこに行くか決めましょう。ってこと。

ヘリテージ・ミーティング

前回の水道関連施設の見学の時に話題に上った「本庄水源地から平原浄水場までの配水ルートを追うヘリテージ」と、「三津田、三条を経て川原石界隈を訪ね歩くヘリテージ」の2班に分かれて行動することに。
共に歩きながら興味深いヘリテージを探そうってことね。

で、こなきは配水ルート訪ね歩きルートに参加することにしました。
早速メンバー8人スタートです。川沿いを意気揚々歩くメンバー。

ヘリテージ・川沿いを歩くの図

何かヘリテージな物は無いかしら…と、キョロキョロしながら歩く一団は客観的に見れば変な連中に見えたかも知れません。

で、早速古そうなものを発見。あんまり大きくない祠(ほこら)です。鳥居には「石田明神」と書いてあり、近くのバス停には「明神橋」と書かれております。こんな街中に明神さんがあるとは、クルマで通ってた時には気が付かないよ。

ヘリテージ・石田明神

やはり、歩く速度じゃないと見えないモノってあるんですね。
ただ、コレはちょっとヘリテージとは違うかな…次、行ってみよう!!

先頭を行くメンバーのKさんの案内に従い、目指すは「澤原家」。県の文化財にもなっている有名な建物だけれど、オイラは実物を見るのは初めて。

ヘリテージ・澤原家に向かう

立派な門構えの澤原家。お城と言った方が正しいのではないかとも思えます。遠山の金さんでも出てきそう。
呉の戦災からも被害を受けなかったんだねぇ~。

ヘリテージ・澤原家の門構え

裏手に廻って石垣の下を見ると井戸なのか、或いは邸宅から抜け出す忍者道なのか、気になる部分。

ヘリテージ・澤原家の裏手

対して表通りは、こんな感じでとってもレトロ。一瞬、ここは倉敷の美観地区か?って思える程、呉市内であることを忘れてしまうかのような家並みです。
ヘリテージ・澤原家の白壁

この画像の左側に見えている蔵の裏側に回りこんで見てびっくり!!
三連の蔵です。コレが色々な出版物でも紹介されている有名なアングルですね。
傾斜地に建てられおり、石垣の上に蔵があるので、巨大に見える。圧巻です。

ヘリテージ・澤原家の三連の蔵

蔵の表側を別の角度から見ると、こんな感じ。
裏とは対照的に、大人しい普通の蔵に見えます。

ヘリテージ・澤原家の倉

澤原邸を後にした一行は、長の木の坂道を登っていきます。
たどり着いたのは長の木公園。唯一の遊具は舟形をしていました。三色のポールを煙突に見立て、ジャングルジムは艦橋に模してているんよ。呉の特色を生かした遊具っていいね。オモシロ~。

ヘリテージ・長の木公園の遊具

石積みが美しい細い坂道をくねくねと通り抜け、出たのは長の木トンネルの東側出口。

ヘリテージ・長の木トンネル

ここから千福に向かいます。
千福の酒蔵特有なレンガ煙突。この煙突は赤レンガではなく、白レンガで出来ており、白く塗ってる訳じゃないと聞きました。

ヘリテージ・千福の白煉瓦煙突

知らんかったんじゃけど、千福の敷地の一角にギャラリーが出来ており、そこでは「甘酒ソフト」が食せるとのこと。で、コレ↓がその甘酒ソフト。チョコソフトもあり、そちらは吟醸チョコソフトなんだって。日本酒が駄目なオイラでも食べれるほんのり甘酒風味じっゃた。ウマ~。

ヘリテージ・千福の甘酒ソフト

ソフト食って一休みしたので、続きのヘリテージ行きまーすっ。

千福の山側にはもう一つの酒蔵があるんだけれど、その前の川に掛かる橋がちょっとヘリテージ。
セメント造りだけれど何気に眼鏡橋っぽくなっている。

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その眼鏡橋っぽい橋の上に掛かるのが、現在の長の木線の道路に供されている橋。
この橋の下に鉄管が通っているけれど、これが今回の目的の、本庄水源地から平原浄水場までの配水ルートの管なのか…?多分違うだろーな。

ヘリテージ・長の木の橋

この橋から歩いて、山側に向かいます。明立小学校の上手にある安楽寺(?)の前を通過。遠くに灰ヶ峰の山頂が見えてます。 

ヘリテージ・安楽寺

更に本庄水源地方向に一直線に向かうルートを辿って行くと…
ぅわぁ!!スゲエ階段じゃし。両城の200階段は映画・海猿で有名になったけれど、それに負けてないよ。

ヘリテージ・長い階段

この階段を登る前に小川をまたぐ橋があった。この橋の下にも鉄管見えたり。
さっきの長の木の橋の下の管よりも、細いなぁ~。

ヘリテージ・橋の下の鉄管

さぁ、階段を登って行きましょう。
階段の途中にあった、広大な空き地。門柱が残ってるんだけれど、昔は学校だったんかな?

ヘリテージ・上山田町の空き地

階段を登りきったところにあった宮地獄神社を示す碑。「ここまで登って来る階段が地獄じゃし…」との弱気な発言も出てるし…

ヘリテージ・宮地獄神社

登ったからには下りましょう。尾根をひとつ越えた形になります。下って行くと、なにやら賑やかに声が聞こえます。おばちゃんに聞くと、報恩講の炊き出しをしているとのこと。大鍋からは美味しそうな匂いが漂ってきます。

ヘリテージ・報恩講の炊き出し

報恩講が行われていた西教寺。手前のわらぶき屋根は茶室かな?

ヘリテージ・西教寺

さらに直進。もう一つ尾根を越える階段を登って下ります。
下ると道路に大きくせり出した松。両端の民家の煉瓦塀も立派でした。

ヘリテージ・道路に覆いかぶさる松

鉄管に沿って歩いて来て、とうとうココまで来ました。
市営バスの「鉄管道路」バス停。

ヘリテージ・鉄管道路バス停

このバス停は辰川小学校のまん前です。

ヘリテージ・辰川小学校

辰川小学校からもうちょっと行くと、レトロな佇まいの建物が。
六川医院の古い建物。

ヘリテージ・六川医院

道路の真ん中、グレーチングの下にも鉄管が見えてます。

ヘリテージ・道路の下の鉄管

と、どこまで行ってもきりが無いので、適当なところで左に曲がりましょう。
この辺りは古い民家が沢山あり、そのどれもが梁(はり)が朱に塗られています。また、1階と2階の間に軒が2つある、ちょっと変わった造りになってます。

ヘリテージ・南辰川町の古い民家

この建物の壁には古い看板が。ヒゲタしょうゆの看板。皇室御用品だと。

ヘリテージ・ヒゲタしょうゆの看板

更に下って行くと、大内山の酒造場に来ました。ここの建物もなかなか古いですね。
建物と煉瓦煙突のコラボがいい感じです。

ヘリテージ・大内山酒造

あぁ。歩いた、歩いた。
最後に西谷製菓で「栗どら」をお土産に買って帰りましょう…

ヘリテージ・西谷製菓

集合場所であった中央公民館に戻って、栗どらを食しながら、川原石方面チームの戻りを待つ。
同チームが戻ってきて、撮影したデジカメ画像をプロジェクターでお互いに見ながら今日のまとめ。
川原石方面も色々と興味深いヘリテージがあったねぇ~。

さて、解散。
帰りに呉駅に行くと、今が旬の「キティちゃんバス」を見ることが出来た。

ヘリテージ・キティちゃんバス

今回のヘリテージイベントを締めくくってみると…。
確かに「足で稼がないと」見えないモノってのが沢山あるってことが良く分かった。日頃クルマで通ってても、かなりの部分は見落としているんよね。
また一方で、ヘリテージなモノの近所に住んでいる人は、日常風景に存在しているモノだから、そのモノのレア度に気が付いてないんじゃないかと思う。

アイデア貰って、歩いて検証して、ヘリテージコレクションを増やしていく必要があるよね。
また、既に文化財として登録されているものは、今更ヘリテージだと騒ぎ立てなくても、もうすっかり公共機関によって保護されているんだから、私らはもっと「発掘」しなくちゃならないんよね。

その意味で、街角ヘリテージ企画に多くの方から投稿を頂いて、ヘリテージの候補を増やして行くことって大切だよね。また、住んでいる人の中で一人でも多くの人に、古いものへの関心を持ってもらうことで、そのモノを保護して行こうとか、アピールして何らかの有効活用に生かしたりなどのアイデアが生まれたら、私らの活動も無駄じゃないと思えるんだけどな。

って、ちょっと偉そうに締めくくってしまいました。かみもんsorry…

呉ヘリテージ 第3回イベント に参加

11月28日(火) ヘリテージイベントに参加してきました。

って、平日じゃん!!
えぇ、有給休暇使いました。こんなとんでもなく忙しいイベントがある日に申し訳ない気持ち一杯で…
この日の仕事とこの日のヘリテージを天秤に掛けると、ヘリテージの方がどうしても重い。
職場の皆さん、ゴメンナサイ。

そんな忙しい日に仕事休んでまで参加しなきゃならないのか、呉ヘリテージ。
そう、今回のイベントは絶対に外せないイベント。

前回のフィールド調査は海軍関連施設巡りじゃったけれど、今回は呉市内の水道施設巡り。
本庄水源地、宮原浄水場、二河取水口、平原浄水場の4箇所を巡って水道局員の方に案内して頂ける、二度と無いチャンス。これは参加せねば!!
# 事前に呉ヘリテージの事務局の方から参考DVDを借用して予習してたv(^o^)v

前置きが長くなりました。当日の様子レポ行きましょう。

待ち合わせは10時に呉駅裏のレクレ
ここからマイクロパスに乗って最初の見学地、焼山の本庄水源地に向かいます。
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参加者は男性8名女性3名。このメンバーで巡る市内水道施設一周の旅。
初顔合わせの方も居られるので軽く自己紹介をば。そう、あいのり的な雰囲気です。

現地に到着早々、市職員の方に案内頂き場内を歩く。本庄水源地には石造りの巨大な堰堤があることで有名ですが、間近で見るのは初めて。
最初に目に入ったのは湖に浮かぶ島。
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セメント造りの鳥居が見え、神社のようである。説明によると、ここの水源地が出来る前は、この島の部分は小さな山であり、その周囲に水を湛えたことにより島状態になったとのこと。へぇ~。

では石造りの堰堤に行ってみましょう。
堰堤上部から見渡す。同行した参加者の方ともこっそり話したんですが「想像してたよりも大きくないですねぇ~。」ってボソッ。
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真ん中の建物の内部を拝見。手動式のバルブ開閉機(?)が5基並んでいる。当然、現役で使われている設備。
胴体部分には[KNWW 大正五年]と鋳られている。(KNWW = Kure Navy Water Works)

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堰堤を横方向から見る。
この画が呉ヘリテージのTopにも使われている有名なアングルじゃね。カメラのファインダーに全体を収めるならここからの眺めが最善でしょう。

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けれど圧巻は堰堤下からの眺め。

上で「思ってたよりも小さい」なんて言ったのは、大撤回!!長さ97m・高さ25mの巨大な石垣の迫力は下から見て初めて分かる!!圧巻です。大迫力!!

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綺麗に組み上げられた石積みは往時の職人たちの技術レベルの高さ、また、設計の素晴らしさが感じ取れます。これだけの石を槌とノミで削りだし、こんなにも美しく積み上げるなんて…!!

堰堤中央下部の出水口の部分。
真ん中に「本庄貯水池 海軍中将伊地知季珍書」と書かれ、右手には着手 大正三年十月、左手には 竣功 大正五年八月と書いてある。パイプに耳を当てるとゴーゴーと水が流れる音と振動が伝わってくる。スゴイ…このパイプも当時のまま。

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堰堤を離れ、水源地の横を流れる川の段々に来た。実はこの川は人工の川なんじゃと。水源地が出来るまでは、堰堤の位置が川だったんだけれど、貯水するために川をわざわざ横っちょにこしらえたんだって。へぇ~。

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文化財としての詳しくはコチラ → 国指定重要文化財 本庄水源地堰堤

本庄水源地の見学を終え、お弁当を頂いた後に次の目的地、宮原浄水場に向かいます。
ココでのお目当てはコチラ → 呉市水道局宮原浄水場低区配水池

一行が到着して先ず驚いたのは、宮原浄水場からの眺望。呉湾を一望できる素晴らしい眺め。海軍鎮守府の向こうにIHIの造船ドックが見え、呉湾、江田島まで見渡せるとても良い場所。
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ゆめタウンも、練兵も、美術館も、中通の方もよーく見える。絶景ですよ。この景色こそヘリテージじゃわ!!
子規句碑のところが歴史の見える丘って名前が付いてるけれど、ココも負けず劣らず歴史の見える丘じゃないですか。この眺めを一般公開しないのはとっても勿体無いよ。

ここではヘリテージ建物を見る前に、浄水場としての水の精製プロセスを説明して頂いた。この画は急速ろ過の工程。

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このろ過装置の横に大きなプールみたいなのが見え、その向こう側にヘリテージの低区配水池の建物が見えている。低区配水池そのものがヘリテージターゲットなんじゃけれど、手前のこのプールみたいなのも、とってもヘリテージよ。

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このプールみたいなのは緩速ろ過池って言うんだけれど、囲いの部分が石造り。しかもコーナーは美しくラウンドしてる。

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池と池の隣接部分なんて、ホラ、このRの出し方がとても美しい。機能性だけを言うなら、この部分にこんなにも手間を掛ける必要は全く無いのに、ここまでデザインに拘った昔の人々。素敵ですな。

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で、こちらが本来の目的ヘリテージである低区配水池の建物。平べったい体育館のような建物。壁面は煉瓦積みで屋根はトタン張り。内部は精製後の水道水が満ちているプールのようになってるらしいが、見学不可。だって、この建物の中の水は、もうすぐに飲める状態の、言わば出荷待ち状態の水道水。何気ない輩が入って異物混入とかしちゃマズいからでしょうね。

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入り口部分のアップ。大きく半円を描いた石のデザインもオシャレ。

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この後も浄水工程を見学させて頂き、宮原浄水場を後にする。

次にあいのりメンバーが向かったのは秋深まる二河峡。

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ここでのお目当ては、コチラ  → 呉市水道局二河水源地取入口

二河川の水をここから取り入れ、宮原浄水場まで送水しているとのこと。
上部に呉鎮守府水道と刻まれている。

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ココの水は現在は工業用水って言ってたかな。反対側の様子と詳細は、コチラで見ることが出来るよ。
この水道トンネルの長さは長くなく10メートル程かな。そんなには長い距離じゃないし、ここまで飾らなくても機能としては十分なんだけれど、わざわざアーチ型にすることろが粋。

取水口から歩いて下る道。この足もとの石畳の下を水が流れているのね。

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二河峡を後にした、あいのりメンバーが次に向かった先は、平原。
ここでのお目当ては、コチラ  → 呉市水道局平原浄水場低区配水池

西畑から灰ヶ峰に登る途中、平原神社を過ぎた辺りでこんな施設が見えてるでしょ。これがヘリテージな低区配水池。

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特徴的な外観の排気塔。

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この排気塔の下部に見えている扉から内部に入らせて貰う。
宮原の配水池は立入りできなかったけれど、こちらは見学を許可頂けたようである。

扉を入った瞬間に分かる、所謂カルキ臭。この建物内で喋ると声がとても良く反響する。
その扉の幅と同じだけの幅しかない、細長い通路がずーっと奥まで続いているが…

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通路の左右には、暗闇の中に満々と水を湛えた巨大なプールが連なっている!!
一同、凄い、凄いの連発!各自カメラでの連続撮影に余念がない。

天井はアーチ型に組み上げられた煉瓦造り。幅10m奥行き30m程か?一番奥には空気抜きの丸窓がまるで満月のように浮かび上がっている。

この画は明るさ調整を行って、かなり明るめに補正しているけれど、実際は真っ暗なんよ。

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天井のアーチを成している煉瓦積みの荷重が掛かる部分は石ブロックが使われている。
そして湛えられている水は青緑色に…。水深は3メートルほどかな。奥側が浅く、手前(中央通路)に向けて深くなっている。

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水中にも美しく組まれた煉瓦アーチ。このアーチの部分でプール同士が連結されている。

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と、ここまでデジカメで撮影して来てメモリー満杯になってしまった。敢え無く終了。

この後も、平原浄水場を見学させて貰ったが、平原を案内してくれた職員の方は古い水道施設の資料集めや研究にとても熱心な方であり、自らの範疇で作られたと言う自作の資料を見せて頂いたけれど、とても丁寧に調べ上げた貴重な資料でした。内部の方じゃないと見つけることの出来ない図面や、普通は撮影できない場所の画像などなど。
今後も資料整理、益々の内容充実を期待しております。

さて、あいのり一行は本日予定されていた見学を全て終え、呉駅裏に戻ってきました。
いゃ~。こんなに中味の濃いツアーになるとは思っても見なかったので、とても良い1日でした。

くれシェンドの方々とても貴重な体験をさせて頂きありがとうございました。
案内頂いた市水道局の担当者の方々、またマイクロバスの運転手さんもお疲れさまでした。
1日同行した、あいのりメンバーの方々とも貴重な体験を共有できてとても良かったですね。

メンバーの方々とは早くも次のヘリテージ発掘ツアーの話で盛り上がりつつあります。
その節にはまた参加しますよ(会社休めるかな…)。

呉ヘリテージ 第2回イベント に参加

10月28日に第1回のミーディングがあった、 呉ヘリテージ

今日は第2回のミーティングと言うか、実地イベントの日。天気は良いものの風の強い日だったねぇ~。

愛車Attivoで呉駅横の駐輪場に向かいます。ココの駐輪場、1回100円なんだけれど、ココを使わない人の気が知れないよ。
そごうや駅周辺に無造作に停められている自転車。勿体無いよね。盗難の危険とかある訳じゃない。
ココだと、たった100円でおじさんが終始見ててくれる訳じゃない。
盗難の危険性がたった100円で激減されると思えばとても安いのに、なんで使わないんだろう…不思議。

だけれど、ちゃんと鍵掛けて停めるよ。
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集合時間の13時。レクレ2階にある、くれ観光情報プラザに行く。
先日の第1回ミーティングでお会いした方々に再会。新しい顔もちらほら。
また、見慣れたいつもの顔ぶれも沢山…(^v^)

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簡単なブリーフィングの後レッツゴー。本日の案内役を買ってくれたのは、呉観光ボランティアの山元さん。後で聞いたけれど、この方とても有名な方らしい。ココ見て。

先ず向かったのは、呉中央桟橋ターミナル。ゆめタウンを抜け大和ミュージアムを脇に見つつターミナルに到着。エレベータで5階に上る。5階は展望フロアとなっており、呉湾と市内を360度眺望できる、とても眺めの良い場所。ココに来たのは2度目かな。

だけれど、山元さんの楽しい解説があるお陰で、見るもの見るものがとても興味深いモノみ見えてきた。
中でも、こなきが一番興味深かったのがコチラ。

桟橋ターミナルから自衛隊総監部を見た画。上が宮原小学校。左の山の斜面に穴が開いている。

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拡大した画。この穴、防空壕の入り口らしく、この中は巨大な体育館ぐらいの広さがあると!
しかも、この壕は音戸方向までずーっと続いてて、日新製鋼の辺りまで続いているとのと!!

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入ってみたぁ~い!メチャ入ってみたいよ。この中。歩いて日新まで行ってみたい!!
だけれど、命懸けだろうね。

更に360度見回して説明を受けた後に、歩いて場所移動。
堺川に掛かる宝橋から見た、灰ヶ峰。今日はいい天気です。

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練兵広場のところまで来た。今は市民広場って言うんだね。
この練兵の下も防空壕になっているらしい。で、ココに入り口が見えている。

しかも、練兵って、ちょっと小高い丘になっているけれど、ココって大和を造った造船ドックを掘ったときの土砂を運んで、作ったんだって。知らなかったよ、オイラ。

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続いて、総監部に入場。初めて入りましたワ。
いつも外部からは見てる建物だけれど、敷地内は初訪問で、見慣れているのは建物の裏側なんだって。海に面してる方が建物の表だと。

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間近で見る煉瓦造り。立派な建物です。本当は呉鎮守府と言う。
建物の由来についても、こと細かく説明を受ける。レンガの積み方にも意味があり、ここのは「イギリス様式」の積み方なんだって。

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一行は建物の表側(海側)に出た。
海から鎮守府の建物に向かう坂に、石造りの立派な階段があり、その脇にこんもりとした丘がある。
この向こう側に地下壕への入り口があるんだろうな。行ってみたい…。

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鎮守府の建物の表側。
左右の出た部分は後から増築されたモノらしい。

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足早に総監部を見た後、国立病院に向かう。
ココの敷地内に「底栗車之塔」(ちりしゃの塔)と言うものがある。
動物実験で命を落とした畜生達の慰霊碑らしい。見慣れた国立病院の敷地内に、このようなものがあるって知らなかった。

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足早に次の場所に。隣接している入船山記念館へ。

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実は、恥ずかしながらココも初めて来たのよね。

この建物は「旧呉鎮守府司令長官舎」。とても立派な洋館造り。

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内部はとても立派。そして有名な金唐紙。詳しくはコチラを見てみてね。
とても素敵です。なんで今まで来なかったのだろう。
今日は早足だったら、こんどゆっくりと来てみたい。な、くるぱん。

美術館通りを下っていきます。

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眼鏡橋の高架下を抜け、図書館に向かう。
眼鏡橋の道路の下には、今も「眼鏡橋」が眠っているらしい。ココもいつか探検してみたいね。
ね、かみもん!

図書館の3階で、今日1日のまとめと、次回イベントの話などをして解散。
いゃ~あ、いい1日でした。ホント。

あまりにも身近なもので、気が付かなかったけれど呉ってとてもいい街じゃね。
タウンマネージャの原田さんが、以前に言ってた。

『呉ってとってもカッコイイ街なのに、住んでいる人が、そのカッコ良さに気が付いてないのが残念だ!!』って。

そーか、こういうことだったのね。今日初めて分かった気がした。ほんの一部分だろうけれど。
また、そういうモノにかんしんを寄せる年齢になってきたってのもあるんじゃろう。若い頃ってどうしても、史跡モノには興味が向かんよねぇ~。まだまだ知らない、呉のいいところって沢山沢山あるんだろうな。

だから、ヘリテージ調査隊に参加してホントに良かった。
我が街再発見。
って言えばカッコ良過ぎるんだろうけれど、この街の良い所をもっともっと再発見して行きたいな。

次回イベントもとっても楽しみです。

p.s.最後になりましたが、ココのブログをご覧になられている皆さんにご案内。
呉近代化遺産、呉ヘリテージでは、あなたの身近な「街角ヘリテージ」を募集しています。
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