立ちゃん さん、蛇人間 さんと行く 長浜・小坪探訪 その1

小坪の褶曲と断層を見に行く

呉市の文化財は幾つかあるが、その中のひとつに小坪の断層があり、このことははいがみねOnLineにも掲載されています。私も以前より、その存在は知っていましたが、小坪のどこにあるのかを知らなかったので、立ちゃん さんと蛇人間 さんが案内してくれると言って頂けるので、案内をお願いしました。

2005年11月3日 小坪地区特派員の立ちゃん さんと、掲示板の常連さんである蛇人間 さんと、こなきの3名はこの日の行動計画の最初の予定地、小坪の断層を目指して小雨降る中、蛇人間 さんのクルマで小坪に到着。

長浜を経て海沿いの道をくねくねと通り抜けた後、小坪に入る。
二股の分かれ道で左を選択すると旧道に至る。旧道に入ってから振り返って見るとこのような光景。

画像左端に見切れているのが小坪小学校のグランドで、この画像ではちと分かり辛いが、右側の白いクルマの上に城壁のようなものが見える。

その城壁のようなものがこれ。

以前、ふくちゃんと探検した白岳山の石灰石採石場から採掘した石灰を運ぶためのケーブルカーの台座か何かの遺構らしい。

すぐ隣のお宅の方に尋ねてみたが、元来の地元の方ではないとのことで、良くは分からないとのこと…

ちなみに、上の画像の中央部。松の植わっている白いお宅が建っている場所も、この石垣同様に石灰石運搬関連施設の跡と思われる。

振り返って船溜まりを見る。

今度は右端に見切れているのが小坪小学校のグランド。

大きく右に蛇行している石垣が昔の海岸線。

小坪小学校の正門前を通過して、小坪橋を渡る。小坪橋のたもとには「昭和35年10月完成」の文字が刻まれていた。

この画像は白岳山経由で白石に抜ける山道から、小坪橋周囲を見下ろしたもの。

中央の橋から向こう側(学校のプールも含めて)全て、昔は海だった地域。

立ちゃん 曰く「手前の公園の部分が昔は船溜まりだったんですよ」。

サニーマート 小坪店を過ぎてほんのちょっとの所で、立ちゃんが「ここですココ」と言う。

こんな町中でいきなり…か。

確かに、金属製の看板が見えている。

クルマから降りて地層を見入るお二人。

右が蛇人間さんで、左が立ちゃん さん。実は二人とも女性である。ウフフ♪

文化財を説明している金属板の説明を書き起こしたものを以下に。

呉市指定文化財 第55号 天然記念物 平成8(1996)年2月20日指定

広小坪の褶曲と断層 HIRO KOTSUBO NO SHUKYOKU TO DANSO

 この場所には、上下2つの地層があらわれています。
 下の層は泥層、砂層、石灰層の互層で、全面珪酸質(けいさんしつ)となっており、山口県東部にある三畳紀(さんじょうき)の玖珂層郡(くがそうぐん)に似ています。上の層は砂礫層(されきそう)で、まだ十分に固まっていない新しい層なので、上の層と下の層は堆積の時期が異なり、両者の関係は不整合です。下の層の中央部は比較的整然と成層していますが、左側の方はしわ状になっていて褶曲構造をなしています。これは海底で堆積時に地滑りを起こしたものと思われます。また、中央の成層部とその左右の層とはつながらず、その境は裂け目になっていて断層です。住宅地の中の小さな露頭(ろとう)でこのように多様な構造が見られるのは、とても珍しいことです。

呉市教育委員会

これが「広小坪の褶曲と断層」のほぼ全景。立ちゃんの身長が167センチってことなので、推測しても高さは2メートルほどか。幅も30メートルには及ばないと思われ。

意外とコンパクトなのね。だけれど、これが貴重な地層なんだよ。

地層部分を拡大。

ん〜…。

ゴメン、『上の層は砂礫層で、まだ十分に固まっていない新しい層なので、(中略)中央の成層部とその左右の層とはつながらず、その境は裂け目になっていて断層です。』って解説されてもオイラには全然見分けがつかんワ。

こんな時に、小滝源流を求める探検に同行してくれたちゃき姐さんが居れば、分かり易く解説してくれたろうに… チッ

この地らしく、地層そのものには石灰石らしき白い岩が多く見られたが、地層の右となり。地層部分とほぼ同じ高さに積み上げられた石積みにも、やはり石灰石が使われている。

小坪界隈ではこのような石灰石を使用した白い石垣の姿を多く見ることが出来る。

地層部分の横をなだらかに登る小路を歩いて上がるとそこは住宅地。以前はこの場所に小坪小学校があったと蛇人間さんが教えてくれた。今は集会所、ゲートボール場と民家が立ち並ぶ。

ふと、横を見ると眺めの良い場所である。眼下に並ぶ家々の向こうの山肌には小坪神楽が行われる八幡宮が見える。

小坪神楽のお話は、また別の機会に。

さてさて、11月3日の最初イベント目的を達成した。ちと難解な地層だが、見る人が見れば素晴らしいものなんだろう。
次のターゲット、「在りし日の風景・長浜は長い浜だった」を撮影した場所を特定するの目標に向かう三人であった。そのお話はまたの機会に。

作成:2005年11月9日