「ウィニー」情報流出に思う -葬り去られるソフトウェア-

ゲラは3月17日に書いていたのに、upするのがすっかり遅くなっちまった。
今さらながらのupです。

今日(3/16)のヤフトピ見た。
『「ウィニー」情報流出、底なし 危機意識低く深刻 防止「個人の管理」頼み』

以下の書き込みではウィニーをWinnyと書きます。(ゐいー)
しかし、安倍@政府長官までがコメント出すまでの事態になるとは…

京都府警がWinny開発者をタイホしたのに、岡山県警やら愛媛県警の誰かさんがWinny使って捜査資料を流出させちまった…ってのは、非常に滑稽じゃ。所詮、どこの組織であれトップの意思を末端まで徹底させるのは困難なことじゃ。と、言うことを表してると同時に、ポリさんでも無料で楽曲を入手したいと思うたり、あーんな画像や、こーんな動画をコレクションしておきたいな…ムフフ。な、人が居るってことじゃね。

が、この記事で聞き捨てならない一行がある
『「最も確実な対策はパソコンでウィニーを使わないことだ」と国民に注意を呼び掛けた。』

おいおい、そりゃ違うじゃろー。端的に言ってしまえば、確かにそれが一番確実じゃが、Winnyが悪いんじゃなく、原因はウィルスじゃろうが!

政府発言を受けてか…プロパイダも動き出した。plalaはWinnyパケットを中継せんようにするらしい…
niftyも同様のことを検討しているとのことも…
(以下、ITをお仕事としている立場から言わせてもらうよ!)

確かにWinnyの用途は、どうしてもダーティなイメージが付きまとう。開発者がタイホされちゃったし、Winnyで交換されているデータはアングラ系や違法な楽曲データが多い。

が、先の新聞記事にも書かれていたが、Winnyを使用すること自体は違法ではない。Winnyを使って著作権のあるデータを交換するから違法性を帯びてくるだけである。

最近のメディアの報道を見ている限り、Winnyを使っているからデータ流出するとの印象を受けがちだが、その解釈は間違っている。PC内部のデータが意とせず、Winnyによって流出するには…

(1) PCにWinnyが導入され、起動している。
(2) PCがコンピュータウィルスに感染している。

この2つの条件が満たされなければ、昨今騒がれているようなデータ流出は起こりえないのである。

メディア報道では(1)ばかりがクローズアップされているが、根本原因は(2)にあると断言する。

Winnyでデータ流出を起こすウィルス。通称:キンタマウィルスである。

Winnyを入れてるのが悪いんじゃなく、PCがウィルスに感染してんのが原因じゃ!
で、ウィルスに感染するってことは、ウィルス駆除ソフトが正しく使われていない証拠じゃん。

PC使用者がウィルス駆除ソフトを正しく導入しており、パターン更新を最低でも月に1回は行っていれば、今のような流出騒ぎは起きうるハズも無い。

それが出来ていない証拠じゃないか!!
ウィルス駆除ソフトに関して、良くある誤解

a. パソコン買った時に最初から入っていた駆除ソフトが動いているから大丈夫。
→ パソコン買ったときに入っている駆除ソフトのほとんどは、90日間限定のお試し版などです。お金払って買わなけりゃ、91日以降その時点から駆除能力が減退して行きます。
b. 何年か前に駆除ソフトを入れたよ。
→ 駆除ソフトのほとんどは年間契約です。買って1年後には、その時点から駆除能力が減退して行きます。毎年、買いなおさなきゃならないんですよ。
c. 自分のパソコンには、大切なデータは無いよ。
→ 自分のPCがウィルス感染しちゃうと、自分のPCが迷惑メールの発信源になったり、内部のデータ(デジカメの画像ぐらいはあるでしょ)がどっかの誰かに渡ってしまったりする可能性があります。

Winnyが悪いと騒ぎ立てる前に、政府はウィルス駆除ソフトの正しい使い方を政府広報ででも流せよ。

ここ最近は駆除ソフトも安価になってきた。プロパイダーによっては、月額4-500円程度で使える契約のものもあるね。いま、この記事を読んでるアナタ。駆除ソフトは「ちゃんと」入ってる?パターンファイルの更新は定期的に行われている?

クルマを運転するのに、任意保険に入っていない人って居ないじゃん。パソコン使ってんのに、駆除ソフト入れてないのは、任意保険に入ってない状態でクルマ運転してるようなモノです。是非、駆除ソフト入れて下さい。

話が逸れちゃったけれどWinny。

Winnyそのものは決して悪いソフトではないが、用途が非合法なモノが多かったこともあり、すっかり社会から葬られようとしているが、かと言って、今の時代では合法的な用途も見当たらない。

個人が発信して、捜し求めている人たちに手軽にファイルを配信するソフト。

って聞いても、じゃあどんなファイルを配布すんの?って言われても、いい用途が思い当たらない。

そう思えば、Winnyはまだこの世に出るのが早すぎたソフトなのかも知れない。5年後、10年後に画期的なソフトウェアが発明された時、「このソフトの基本技術は、あのWinnyだったんです」みたいな時代が来るのじゃないか。

そんな時代がいつか来ると思っている。
 

2件のコメント

  1. すばらしい道具も発明も,そして人も使う側の意識によって変わってくるんですね。
    「コンピュータが連れてきた子どもたち」http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4098400987/qid%3D1143811479/250-1633703-9177849という10歳まではパソコンなどのデジタル機器は与えてはいけないという本を読みました。
    コンピュータ教育の先駆者が反省を込めて書いています。
    幼年期に,デジタル情報ばかり与えていると脳が順応してしまい,将来の人間形成に取り返しがつかない状況になるということでした。
    15年くらい前に某大手コンピュータメーカーに研修に行ったときに人事の方が,コンピュータを専門に学んできた人はいらない。学生時代しっかり遊んでいて,健康な人が欲しいと言われたのを思い出しました。

  2. あらさん さん

    良く言われることですが、包丁で人を刺す事件があった時に、包丁は悪くない、使い方を誤るヤツが悪いんだ。みたいに言われますが、Winnyに関しても同様だと思います。ソフトウェアと言う具体的に目に見えないものを扱うことにより、その(警戒)意識が薄れているのでしょう。

    ただ今回の事件を機に、「セキュリティ」に関しての関心が一般的に皆さんに意識されるようになったことは、ある意味「底上げ」としては、良かったんですけれどちと大きな代償でしたね。

    >人事の方が,コンピュータを専門に学んできた人はいらない。
    >学生時代しっかり遊んでいて,健康な人が欲しいと言われた
    >のを思い出しました。」
    確かにその通りですね。まさしくその通りです。SEも体力が勝負です。また、大切なのは機械を扱う能力ではなく、人とのコミュニケーション能力の方がはるかに重要ですね。

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