2007年12月15日(土) 呉ヘリテージの4回目のイベントに参加してきました。
ちょっとupが遅くなりましたけれど 当日の様子をレポートします。
13時、集合場所は市役所ヨコの呉市中央公民館1階の会議室。この丸い建物はすっかりお馴染みだけれど、ココの1階に来たのは初めてじゃった。こんな場所があったとは知らんかった…
(いつの間にか市役所の建物と公民館ホールの間の渡り廊下が切断されていて驚き)
三々五々、すっかり顔馴染みになった方々が集まるり、ミーティングが始まる。今日は幾つか候補はあるものの、明確な目的地は定めておらず、どこに行くか決めましょう。ってこと。
前回の水道関連施設の見学の時に話題に上った「本庄水源地から平原浄水場までの配水ルートを追うヘリテージ」と、「三津田、三条を経て川原石界隈を訪ね歩くヘリテージ」の2班に分かれて行動することに。
共に歩きながら興味深いヘリテージを探そうってことね。
で、こなきは配水ルート訪ね歩きルートに参加することにしました。
早速メンバー8人スタートです。川沿いを意気揚々歩くメンバー。
何かヘリテージな物は無いかしら…と、キョロキョロしながら歩く一団は客観的に見れば変な連中に見えたかも知れません。
で、早速古そうなものを発見。あんまり大きくない祠(ほこら)です。鳥居には「石田明神」と書いてあり、近くのバス停には「明神橋」と書かれております。こんな街中に明神さんがあるとは、クルマで通ってた時には気が付かないよ。
やはり、歩く速度じゃないと見えないモノってあるんですね。
ただ、コレはちょっとヘリテージとは違うかな…次、行ってみよう!!
先頭を行くメンバーのKさんの案内に従い、目指すは「澤原家」。県の文化財にもなっている有名な建物だけれど、オイラは実物を見るのは初めて。
立派な門構えの澤原家。お城と言った方が正しいのではないかとも思えます。遠山の金さんでも出てきそう。
呉の戦災からも被害を受けなかったんだねぇ~。
裏手に廻って石垣の下を見ると井戸なのか、或いは邸宅から抜け出す忍者道なのか、気になる部分。
対して表通りは、こんな感じでとってもレトロ。一瞬、ここは倉敷の美観地区か?って思える程、呉市内であることを忘れてしまうかのような家並みです。
この画像の左側に見えている蔵の裏側に回りこんで見てびっくり!!
三連の蔵です。コレが色々な出版物でも紹介されている有名なアングルですね。
傾斜地に建てられおり、石垣の上に蔵があるので、巨大に見える。圧巻です。
蔵の表側を別の角度から見ると、こんな感じ。
裏とは対照的に、大人しい普通の蔵に見えます。
澤原邸を後にした一行は、長の木の坂道を登っていきます。
たどり着いたのは長の木公園。唯一の遊具は舟形をしていました。三色のポールを煙突に見立て、ジャングルジムは艦橋に模してているんよ。呉の特色を生かした遊具っていいね。オモシロ~。
石積みが美しい細い坂道をくねくねと通り抜け、出たのは長の木トンネルの東側出口。
ここから千福に向かいます。
千福の酒蔵特有なレンガ煙突。この煙突は赤レンガではなく、白レンガで出来ており、白く塗ってる訳じゃないと聞きました。
知らんかったんじゃけど、千福の敷地の一角にギャラリーが出来ており、そこでは「甘酒ソフト」が食せるとのこと。で、コレ↓がその甘酒ソフト。チョコソフトもあり、そちらは吟醸チョコソフトなんだって。日本酒が駄目なオイラでも食べれるほんのり甘酒風味じっゃた。ウマ~。
ソフト食って一休みしたので、続きのヘリテージ行きまーすっ。
千福の山側にはもう一つの酒蔵があるんだけれど、その前の川に掛かる橋がちょっとヘリテージ。
セメント造りだけれど何気に眼鏡橋っぽくなっている。
その眼鏡橋っぽい橋の上に掛かるのが、現在の長の木線の道路に供されている橋。
この橋の下に鉄管が通っているけれど、これが今回の目的の、本庄水源地から平原浄水場までの配水ルートの管なのか…?多分違うだろーな。
この橋から歩いて、山側に向かいます。明立小学校の上手にある安楽寺(?)の前を通過。遠くに灰ヶ峰の山頂が見えてます。
更に本庄水源地方向に一直線に向かうルートを辿って行くと…
ぅわぁ!!スゲエ階段じゃし。両城の200階段は映画・海猿で有名になったけれど、それに負けてないよ。
この階段を登る前に小川をまたぐ橋があった。この橋の下にも鉄管見えたり。
さっきの長の木の橋の下の管よりも、細いなぁ~。
さぁ、階段を登って行きましょう。
階段の途中にあった、広大な空き地。門柱が残ってるんだけれど、昔は学校だったんかな?
階段を登りきったところにあった宮地獄神社を示す碑。「ここまで登って来る階段が地獄じゃし…」との弱気な発言も出てるし…
登ったからには下りましょう。尾根をひとつ越えた形になります。下って行くと、なにやら賑やかに声が聞こえます。おばちゃんに聞くと、報恩講の炊き出しをしているとのこと。大鍋からは美味しそうな匂いが漂ってきます。
報恩講が行われていた西教寺。手前のわらぶき屋根は茶室かな?
さらに直進。もう一つ尾根を越える階段を登って下ります。
下ると道路に大きくせり出した松。両端の民家の煉瓦塀も立派でした。
鉄管に沿って歩いて来て、とうとうココまで来ました。
市営バスの「鉄管道路」バス停。
このバス停は辰川小学校のまん前です。
辰川小学校からもうちょっと行くと、レトロな佇まいの建物が。
六川医院の古い建物。
道路の真ん中、グレーチングの下にも鉄管が見えてます。
と、どこまで行ってもきりが無いので、適当なところで左に曲がりましょう。
この辺りは古い民家が沢山あり、そのどれもが梁(はり)が朱に塗られています。また、1階と2階の間に軒が2つある、ちょっと変わった造りになってます。
この建物の壁には古い看板が。ヒゲタしょうゆの看板。皇室御用品だと。
更に下って行くと、大内山の酒造場に来ました。ここの建物もなかなか古いですね。
建物と煉瓦煙突のコラボがいい感じです。
あぁ。歩いた、歩いた。
最後に西谷製菓で「栗どら」をお土産に買って帰りましょう…
集合場所であった中央公民館に戻って、栗どらを食しながら、川原石方面チームの戻りを待つ。
同チームが戻ってきて、撮影したデジカメ画像をプロジェクターでお互いに見ながら今日のまとめ。
川原石方面も色々と興味深いヘリテージがあったねぇ~。
さて、解散。
帰りに呉駅に行くと、今が旬の「キティちゃんバス」を見ることが出来た。
今回のヘリテージイベントを締めくくってみると…。
確かに「足で稼がないと」見えないモノってのが沢山あるってことが良く分かった。日頃クルマで通ってても、かなりの部分は見落としているんよね。
また一方で、ヘリテージなモノの近所に住んでいる人は、日常風景に存在しているモノだから、そのモノのレア度に気が付いてないんじゃないかと思う。
アイデア貰って、歩いて検証して、ヘリテージコレクションを増やしていく必要があるよね。
また、既に文化財として登録されているものは、今更ヘリテージだと騒ぎ立てなくても、もうすっかり公共機関によって保護されているんだから、私らはもっと「発掘」しなくちゃならないんよね。
その意味で、街角ヘリテージ企画に多くの方から投稿を頂いて、ヘリテージの候補を増やして行くことって大切だよね。また、住んでいる人の中で一人でも多くの人に、古いものへの関心を持ってもらうことで、そのモノを保護して行こうとか、アピールして何らかの有効活用に生かしたりなどのアイデアが生まれたら、私らの活動も無駄じゃないと思えるんだけどな。
って、ちょっと偉そうに締めくくってしまいました。かみもんsorry…
街角ヘリテージ、興味深いです。
文化財というと、つい神社仏閣と思いがちですが、
明治以降の近代化遺産と呼ばれるものも、立派なタカラモノ。
空襲を受けても、当時の古いものが多く残る呉は、近代化遺産の宝庫。
自動車を捨て、歩きましょう、自転車散歩しましょう、バスに乗りましょう。
ただ、知識だけ入れるのでは、鼻持ちならない。興味がもてるのは、
そのモノに「ものがたり」があること。親しみが湧きます。
例えば、市役所と市民会館ですが、
スイス生まれの世界的な建築家の愛弟子である、日本人建築家の設計。
建設当時(40年以上前)、斬新な建物として、注目されていたそうです。
呉の戦後復興のシンボルだったのですね。
(庁舎本体がブリッジで丸い議会棟が煙突。戦艦大和をイメージしたデザイン
だと、まことしやかに語られていたとか)
遊星ギアのカズ さま
ご無沙汰しております、こなき です。
市役所と公民館の建物が船をイメージしているとの話は聞いたことがあります。
カズさんもこの手の話は大好きでしょうね。ただ、呉の近代化遺産は、どうしても海軍に辿り着いちゃうんですよねぇ~。べつに、それが嫌な訳じゃないんですけれど、一色ってのも…
海軍とは関係のない近代化遺産を探すのも難しくて…
そういう意味では、既にホームページで案内しております、広の白岳山の石灰石採掘場の遺構は、広の立派なヘリテージだと思います。
有意義に後世に残せれば良いと思うのですけれど、かなり危険なので皆さんがこぞって見に行くってのは…ちょっと…。
難しいですね。