自転車にまつわる法改正

Yahoo!Asahi.comのニュースサイトをよく見るのだが、ここ最近、自転車に関連する事故の記事をよく見かけるようになった。

重過失致死:高2を送検 自転車ではね死なす 愛知・新城

重過失致死:はねて死亡させた自転車女を書類送検 警視庁

事故死:大証の執行役員が自転車でツーリング中 和歌山
↑これなんて、ワシの以前のケースに酷似している。

確かに自転車の事故件数が増えているのかも知れないし、自動車の事故件数は減少傾向にあるので、自転車事故の件数が目立ってきたんじゃないかな。また、昨今の自転車ブームの影響で例によってマスコミが騒ぎ立てているのもあると思う。

このように、自転車が加害者となる事故の増加(ほんまか?)を反映し、自転車に関する法律が今年の6月に改正されるのをご存知だろうか。
従来、自転車の走行は基本的には「歩道」だったものが、6月以降、自転車の走行は基本的に「車道」と、法律に謳われるのである。自転車vs歩行者の事故の増加に対処してのことのようである。

知ってましたか?

極端な例ですが、自転車が歩道を走っているのをパトカーに目撃されると、怒られちゃうんですよ。
(ちなみに、自転車は歩道走行が原則との悪法は世界中で日本だけです)

ただし、当然に例外があって
1)児童・幼児や高齢者は歩道走行
  追記(08/3/6):13歳未満の子どもや70歳以上のお年寄り、身体障害者の場合は道路標識がなくても歩道を走れるとのこと
2)道路標識で自転車の歩道走行が強制される場所では、歩道を走行

で、この施行を前に、先日、中一の長女が学校から1枚の紙を持って帰ってきた。
わら半紙のその紙には、この法改正のことが書かれているのだが…

1)中学生になったら自転車は車道を走りましょう
2)車道の左端を走りましょう
3)ヘルメットをかぶりましょう
etc… 6か条ほど書いてあったと思う。

こなきも毎朝毎晩の自転車通勤は車道の左端を走っているが、いよいよそれが原則となる日が来る!

が、実は手放しでは喜んでいないのよ。
車道の構成なり、ドライバーの意識改革もなしに、いきなり自転車を車道に下ろしたら、今度は自動車vs自転車の事故が激増するのは火を見るよりも明らかである。

自転車を堂々と車道に下ろすなら、その前にすることがあるじゃろ。

1) 自転車走行レーンの整備
  → クルマと自転車の分離
2) 路側へのクルマの駐停車の絶対禁止
  → 折角の自転車が走る場所にクルマを停められたら元も子もないでしょ

最低でもこの2つは優先して整備すべき。これらが満たされている車道のみ自転車の車道走行を強要すべきであると考える。
今の道路のままで、多くの自転車(スポーツ車でない一般車。所謂ままちゃり)が走ることには賛成できない。

ま、これらの整備を待ってたら20年経っても実現できないだろうから、見切り発車的なところがあるにしても、しかし、不安でしょうがない。きっと、少しの犠牲者(ひょっとしたら自分自身かも)が出ることになるだろう。
で、マスコミが「車道を走っていた自転車、クルマにはねられる」って報じるんだろうな。

でも、実のところは、何も変わらないだろうなと思う。
だって…

  • 自転車の傘差し運転が違反と言っても、まだまだやってる人多いし、警察も取り締まってない
  • ケータイでメールや通話しながらの自転車乗りもなくなってない
  • 無灯火自転車を、警察は取り締まらない
  • ましてや、自動車を運転中のケータイ通話が根絶されてない

これらはとっくの昔に違法行為とされているのに、結局のところは見ないふりされてるじゃない。
だから、自転車が歩道を走っていたところで、取締りなんてやらないでしょ?>警察

自転車と言う乗り物が「車両」として認識されると言うことは非常に喜ばしいことであり、その点では今回の法改正は良いのですが、まだまだ社会全体の意識が変わるまでにはかなりの時間が必要となると思います。

道路という限られたスペースの中で、歩行者、自転車、自動車の3者それぞれが幸せになれる日が待ち遠しいです。

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