ウチにある古いマウンテンバイク

結婚して間もなく、くるぱん用に購入したPanasonicのMountainCatと言う車種。確か当時10万円ほどしたかと覚えてるが、結局のところはご本人さんはあんまり乗らなかったので、こなき用として転用され、自転車通勤当初はコレに乗って通ったりしてました。
しかし、Bianchiのクロスバイクがやって来て以降、このマウンテンに乗る機会も激減し物置の横で朽ちかけてました。が、このまま朽ちさせるのは勿体無いので、長男用に転用できないかと私心しておりました。
錆びを落とし、油を注して手入れしてやればまだまだ現役です。私が乗っても、何の問題もありません。
が、最大の問題にぶつかってしまいました。
長年、私の股下サイズに合わせたシートの高さに固定したままだったので、シートポスト(すわる座面を支えている垂直なポールのこと)がフレーム(自転車本体のこと)内部で錆び付いてしまい、高さ変更が出来なくなってしまってるのです。
シートポストの根元にCRC 5-56を注して、押しても引いても捻ってもビクともしません。シート面をハンマーで殴打してもダメです。オカムラさんに泣き付いて、4人がかりでパイプレンチを使って廻そうとしても無駄でした。(かつおさん、その節にはお世話になりました)
オカムラさんは、さび付いている部分を外からバーナで焼けば廻るかも…との、最終手段を示してくれましたが、それではフレームの塗装が焼け落ちるので、ホントのホントの最後の手として残しておきましょう。
こうなったらヤケです。
電動工具の登場ッス。グラインダーで穴を開けて、そこに鉄芯を通して廻してやろう。
へっへっへ…シートポストと名乗ってても、所詮こやつはアルミ製のポール。グラインダーの手に掛かればホレ、あっと言うまにこの通り。

向こう側が、よーく見えるようになりやした♪
ここに棒を通してチカラ任せに廻してみるものの、棒が曲がってしまう始末。ヤレヤレ、根は相当に深いみたいじゃワ。
ここまでの努力を2週間前にやって、その後放置してたんじゃが、今日になって一念発起!!
バーナーを登場させる前の、最後から2番目の手段を本日決行!!
またまた電動工具の登場。
グラインダーで上部を切断し、縦方向に左右両側から切れ込みを入れる。

ここからは根性の登場。
『金ノコ』で内部から切ると言うか、削ると言うか…左右両方から削って行き、こやつを除去する試み。所詮、相手はアルミ。金ノコの食い付きは良好。

金ノコの先っちょの感覚からして、シートポストの埋まり込んでいる部分の先端は、ノコの刃が丁度届く場所にあるようじゃ。ギコギコと削っては、削りカスを指で掘り出し残りのアルミ厚を確認。
車体の左右を反転させて、反対側からも削って行く。こちらもギコギコと削っては、削りカスを指で掘り出し残りのアルミ厚を確認。
この地道な作業を3時間ほど繰り返す。
残り厚がかなり薄くなったと思われる時期が来た。
いよいよ最終局面とおもわれ。
CRC5-56噴射攻撃、ハンマー殴打アタック、パイプレンチドロップアタック、金ノコ切削カウンター攻撃をランダムに繰り出す攻撃ぢゃ。
そして、ハンマーで叩いた時、ヤツの頭部が遂に3ミリほど陥没した!!
やった!!
遂にこの瞬間が来ました。
感動に我を忘れ、このままハンマーで殴打し続けちまうと、アルミ棒の残骸がフレームの奥底に入り込んでしまうので、そんなアホは出来ません(汗)
先っちょをパイプレンチで掴んで、その掴んだレンチの先端を「抜く方向」に打ちます。
打つべし、打つべし、打つべし…
20回ほどの殴打の末…

錆び付いたシートポストの残骸が外れました。
あ、正確に書いておきますね。このシートポストはアルミ製ですから、本当はこんな風に錆びないんです。付着してるのはフレーム側の錆。フレームは鉄製(Cr-Mo、クロモリって言うヤツね)そのフレームの内部が錆びて膨張して、シートポストを固着させていました。
やはり、たまにはシートポストを廻してやるとか、シートポストを差す時にはグリス塗布を忘れずにとか…そゆー日頃のメンテが大切だと痛感しました。
新しいシートポストを装着し、シートを付け一番低い高さに設定して、長男に走らせてみます。
いい感じです。まだちょっと足が届かないけれど、上手く走ってます。遠ざかっていくその姿は、まるで…
良く調教されたサルが自転車を漕いでいるかのようです。
あぁ…
やっとスッキリしました。目標達成。
この古いマウンテン、そろそろ20歳ですが、まだまだ捨てずに現役。
高い買い物って、やっぱり長持ちして結局のところは得するんですね。