ガンダム400試走

もう3ヶ月も前のことブログ書いちゃいますね…

コロナ禍で国内ブルベも自粛が続いて8月末まで開催なし。からの9月から再開。
それに先駆けBRM919東広島・岡山400kmガンダムに会いに行こう!の試走を盆休みにしておかなければ。

400キロってことはリミット27時間。朝出発すれば翌日の正午くらいまで走り続ける計算だ。ってことは、3連休あたりで走ときたい。
ってことで8月14日スタートで試走しとくしかないだろ。

車載を済ませ、自宅を出たのは7時。

東広島駅前のコインPにクルマを停め、近隣のスタート地点にGo!

本日の装備は600でもイケる仕様。近々に高知600の試走もあるので、それに向けての装備確認の意味も含む。ってことで、ちょっと過剰気味な装備。

本日のスタート時刻は8:00。しかし開催日の2週間よりも前での試走なので、完走したとしても当該BRMの認定資格にはならない。まぁ、今年はSR獲る年ではないので一向に構わない。

ルートはガーミンに入れてるし、3月頃にクルマでルート巡回してるし、序盤は勝手知ったるいつものテリトリー内なのでルートで迷う心配もない。

さぁて、行きますか!
椋梨ダム横の登りを快走し白竜湖へと。

9:52
39km フォトチェック1である、道の駅 よがんす白竜に到着。

コロナ自粛ってことで、この駅を訪れている人もまばら。
しかし今日は暑いな。まぁ8月まん中。暑いのも無理もない。
自販機ジュース1本だけ飲み、すぐに出発だ。

10:18
三原方面に向かう三叉路分岐。

もうここも何度も通っているな。昔の広島BRMは福富の道の駅スタートで、そこをスタートしてしまなみ海道に至る際にはここを良く通っていたな。
(帰路は仏通寺の地獄坂だったが…)

しかし今日はいい天気だ。両サイドの水田は緑そのもの。そしてどこまでも続くかのような道。めっちゃ気持ちいい。

気が付くと路面にこんなペイントが。
フルーツコースか…あれだよな、いまいち人気のない、やまなみ街道サイクリングルートだよな。今度走りに行くわ。って、9月21日に走ってきた訳だが。

11:11
福山の手前、府中に向かう御調(みつぎ)界隈で暑さがスゴイことになってきた。

brytonの気温計が39℃に!
34℃くらいは見たことあるが、39℃とは!

しかしその後も、容赦なく気温は上がって行く

まさかの40℃キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
さらにさらに…

正午前には42℃表示!
これは運動してはいけない気温では(;´Д`)

そして画像には撮ってないが、この後の最高気温は44℃!!

もちろんそれは知ってるし、その対策も万全だ。
今日は先ごろ導入した超薄手のヒルクライムジャージ。汗抜け抜群。そしていつも定番のダブルボトル。ひとつのボトルはドリンク用。もうひとつは水を入れて頭からかぶる用。
しかし頭からかぶる用の水もとっくに湯になってしまっている(;´Д`)
頭に湯を掛けながら走るが、流石に限界だ。

自販機を見つけて止まり、キンキンに冷えた水を頭から掛ける。
震え上がるほどに急速冷却だ!

12:00
87km フォトチェック2 リサイクルショップ JUNK堂駅家店到着。

ここのチェックは店頭に置いてあるアンパンマンと自転車を撮影することだ。
Googleストリートビューでこのアンパンマンを見つけた時、あ、通過チェックはこれだな!と即決だった。
開催当日の店員さんが「なんで入れ替わり立ち替わり自転車の人がアンパンマンパンを撮影して行くんだろうか?」って気がついたかどうか…

途中コンビニで補給しつつ広島県を出て岡山の井原を走り行く。

気温は相変わらず40℃以上を維持したままだ。

事前のルート確認で「どっちみちクソ暑いんだからどこかの川に入って泳いじゃおうか!?」ってプランもあったんだが、その目当ての場所に到達してみると河原は石ゴロゴロだし水も少ないしそんなに綺麗でもなく、とてもドボンできる状況ではなかった。残念。道の駅で涼んだりして我慢だ。

しかし暑さは確実に体力を奪っている。それだけは間違いない。
そしてそろそろ限界に近づいていることは、自分自身が十分に分かっている。

限界突破できるほど若くもない。
熱中症直前のあの寒気はもう経験したくない。
人里離れた場所で行倒れては命にかかわる。

高梁の街を抜け、ループ橋を登って行くが、もう無理だ。暑さ限界。しまった高梁市街地で休憩を入れるべきだった…本当に限界だ。ここの登坂もなかなかに攻撃力が高い。フラフラになりながらゆっくりと登って行く。

ループの途中が次のフォトチェックである。そこまで行ってDNFか。
仕方ないな、高梁なら輪行で帰れる。
フォトチェックまで行って自販機でもあれば先に行けるが、何もなかったらこの坂道を下って戻ろう。そう思ってた。

16:00
フォトチェック3 高梁市ループ橋展望公園に到着した。
ここまで143キロ。

悲報。自販機なし。何もない。
ぽっとん便所があるだけだ。
そしてもう一つあるのは絶望。

オーマイガッ!
寒さDNFってのは経験あるが、暑さDNFってのは初めてだな…まぁ仕方ない…

と、思ってた矢先…ぽっとん便所の横に大きな石があるのが目に入った。
その石の真ん中からは水が涌いていた。

気付くと同時にシューズを脱いでいる自分がいた(はずだ)。

前日の雨のでだろうか、水は少し濁っている。水が湧き出ている周囲は土色の付着物あり。近隣の山水を導いているんだろう。とても飲用はできないが、十分に冷たい。これはいい!

オアシス
そう、これはオアシスだ!

ラクダの背で揺られるアラブの旅人が砂漠の真ん中でオアシスを見つけた時の気持ちがいまの自分には理解できるぞ(何じゃそりゃ)。

汗ばんだ靴下を脱ぎ、足を冷やす。
ボトルを使ってカラダに水を掛ける。これは生き返る!

良かった。本当に良かった。
この水が無かったら、本当にここでDNFになっていた。
こんなチャレンジングな巡り合わせもブルベならではの醍醐味と言えるのかも知れない。オススメはしないが。

30分はここで水遊びをしていたんじゃなかろうか。
すっかり生き返った。よし!行ける。
この暑ささえ超えれば今日の難関は無いだろう。

すっかり正気を取り戻した。
湧水に別れを告げ、右足のクリートをはめる。
よし行こう!

16:40
ループ橋を登りきったところに展望台があった。振り返れば高梁の街が見える。あそこに戻ることは無いな。

しかしこの界隈補給ポイントは無い。ボトルはもう随分と空っぽのままだ。
自販機すら見当たらない。やはり高梁の市街地で買っておくべきだったな。

17:45
陽が落ちようやく涼しくなってきた。

ようやく見つけた自販機で水やドリンクを何本も買い飲みふける。
とにかく今日の飲む量は半端ない。
塩分も抜けて行くので、持ってきた岩塩を時折クチに放り込む。
この辺りも過去の経験が生かされている。

18:15
キューシート#30のコマ。地図上では直進に見える三差路を右折。

現地を見ない限り、ここは直進に見えるが実際はY字分岐っぽい。こんなのは試走しないと分からない部分だ。トンネルには行かず、右手の細い道に行くのがオンルート。

18:26
ブルーラインが見えてきた。リベット打ちのトラス橋を渡る。

18:29
みち停あさひ。こじんまりとした道の駅だ。
ここもリサーチ済なので立ち寄り休憩。

だが、部屋もトイレも施錠されている。
これもコロナの影響だろうか。道の駅は夜でもベンチのある「部屋」的なところには入れるものだが…
自販機で飲み物を買いそそくさと走り去る。

しかしブルーラインはもはや珍しいものではないな。
活かされているかどうかは怪しいが…

18:40
陽はすっかり遠くの山向こうに落ち周囲には闇が蔓延ってきた。

通り行く民家の前では盆の親戚の集まりだろうか。賑やかな声が聞こえてくる。いいな。でも、こっちもいいぞ。

次はいよいよ今回BRMの見どころ、道の駅 久米の里のガンダムだ。
これを目指してみんなが走ってくるんだから!

19:39
フォトチェック4  道の駅 久米の里 に到着。198キロ地点。
通過チェックはガンダムと自転車を撮影すること。

だが…

ヲォい、マジかよ!
ガンダムの格納庫閉ってるじゃねぇかよ!
何だよ閉店ガラガラかよ!

道の駅の建物も閉まってやがる。チキショー!
仕方ないので向かいにあるポプラでお約束のカレーを買ってきて、薄暗い街灯の下でmgmg

後日調べると、道の駅の営業終了と同時に格納庫は閉まるようだ。
久米の里にメールして、BRM当日は遅くまで開けておいて戴けないかと無理を承知のメールを送ってみたが、まぁ期待薄だろう。

諸君!
18時までにフォトチェック4に到達した者のみガンダムとのショットが撮れるぞ。それ以降の者は、今日のワイのように何らかの久米の里であることを証明できるモニュメントか看板などで代用するように。

よし。
ここからは夜の部だ。夜は夜で楽しみがある。
先ずは目指すポイントがある。

あらかじめ調べておいたそのポイントが恐竜。

20:47
このレゴブロックで作られたような恐竜の像にきた。
ここの交差点を左折し、意図的にコースアウトする。
踏切を渡り中国道の下をくぐる。

その先にあるもの…

上の画像では分かりづらいだろうが、ここはプレハブ小屋のような建物。
ここはコインシャワーだ。ここでサッパリして人権を取り戻して行こうとの算段だ。

自転車を裏手に停め、中に入ってみる。

簡単な目隠しで仕切られただけのシャワー室が4室ほどある。

公民館なんかの公共設備のエアコンが1時間100円とかで課金されるあの装置がここにもある。10分300円でシャワーが使える。

中は狭い。
当然、石けんもシャンプーもない。着替えなんて物も持って来てない。

ジャージを着たままシャワーを浴びる。
汗と塩を洗い流すだけだ。タオルで拭くなんてこともできない。
走ってりゃ風で乾くだろう。その程度だ。
サイクルジャージなんて所詮は水着みたいなもんだ(レーパンの下には何も履いてないってことを知らない人も多いが)。

さっぱりした!
獲得した人権は僅かだったがHPが上がったのは間違いない。
室内のソファでジュースを飲んでいると、シャワーを使いに来る人ちらほら。

ここのコインシャワー、中国自動車道の美作追分PA (下り)に隣接した位置にある。シャワーそのものは個人経営だ。

もちょっと詳しく書くと、パーキングエリア内にはバス停がある。
そのバス停に行くための歩行者用の入口がある。
その入口から出た先にコインシャワーがある。

ってことは、高速を走るトラックドライバー向けに作られたシャワーな訳だ。
良く考えたな。
お約束のらくがき帳があったので、本当に落書きをしておいたw

さぁて、恐竜の像のところまで戻り、オンルート走行再開。
ここから先は本当に何も無いエリア。ブリーフィング文書にも書いたんだが、220キロ〜320キロ区間は何もないDNF困難エリアだ。

真っ暗な道を一人走る。
民家も街灯も無い。周囲は山に囲まれているようだ。
夏の虫がガチャガチャ騒々しい。
視界の範囲は前照灯のみ。

こんな状況での楽しみはたったひとつ。
夜空を見上げること。

夜ブルベ経験者なら分かるだろう。
真っ暗な場所で見上げる満点の星空の素晴らしさ。
天の川ってこんなにも星が多いんだ。と、改めて認識させてくれる。
星空って明るいんだと気づかせてくれる。

この状況、好きなんだよねー。
夜風も涼しくて快調に脚は回る。
昼間のあの暑さが嘘のようだ。

時折自動車が追い抜いて行く。
何と思われているんだろうか。
追い抜いて行くクルマの中に下が黒で上が白の独創的なツートンのクルマもあった。職質でもされるかと思ったがスルー。
しばらくすると先ほどのツートン車が折り返して来たが、やはりスルー。
結局この夜間に3回この車に遭遇したが職質されることは無かった。
まぁこちとら違法性ある行為はゼロですから臆することは何も無い。

日が変わる頃、小さな町に来た。
川沿いに並ぶレトロチックな街灯が出迎えてくれた。

0:01
フォトチェック5 新見駅 260キロ地点だ。

駅舎内の時刻表を見てみると、終電はとっくに終わってるのに中はやけに明るい。駅前のタクシーも2台おり運ちゃんは暇そうに時間を潰してた。
目の前のベンチにはお家のないおじさん(?)が寝ている。おじさんを起こさないように写真撮影だ。

通過チェックはこの馬の像と自転車のツーショット。

この騎馬像が何の意味なのかも知らない。
後に調べると祐清(ゆうせい)像と言われているらしい。

まぁ、ワシらも現代の馬(ロードバイク)に乗る祐清なのかも知れないが(こじつけ感)。
ここは撮影しただけで早々に立ち去る。
直後にローソンがあったので、立ち寄り軽く補給しておこう。この先も補給可能ポイントはしばらく無さそうだから…

3ヶ月の月日が経ってて覚えてないんだが、その先は何にもなかったと思う。淡々と闇の中を走ってたかと…

1:44
1時間ほど走って広島県に戻ってきた。

東城の文字にほんのりゴール臭を感じるがまだ100キロ以上は走らなければならない現実。しかし昼間のあの激暑を思えば、今のこの気温は正にブルベ最適気温。

その後、東城→帝釈峡を抜け、庄原に来た。
既に夜は終わりつつありほんのり明るい。ドリンク休憩したいので見かけた庄原のダイソー敷地内にある自販機で立ち止まる。10分ほど休憩して出発。
三次の市街地に出てきたのは午前4時を過ぎていた。

4:34 通過チェック6 三次駅到着。
ここまでで340キロだ。

さっきの新見駅に続き、ここ三次駅でも通過チェックは駅前モニュメントと自転車との撮影。
この抽象的なモニュメントが何なのかは、ここは三次であることを考えればすぐに分かった。三次と言われて有名なのはサイクルショップ・ツジノ。その次に有名なのが鵜飼だ。流石にこのモニュメントはTBC管理人さんとその仲間たちを象徴しているとは思えず、まぁ妥当に鵜飼だろうと…w

さて、三次まで来れば残りは勝手知ったる国道375号を淡々と走るだけだ。
自分にとっては消化区間と言っても過言ではない。

が、ここに来て襲ってきたのが眠気だ。
昨日の朝8時にスタートし、ここまで一睡もしていない。これは眠気を無理矢理我慢して走ってきたのではなく、純粋に眠くならなかったから。
しかしオーバーナイトブルベでは大概そうであるが、最も眠くなるのは明け方。遠くの山の上がほんのり明るくなってきて、サイコンの時間を見ると4時半とか5時くらいになってくると眠気がやってくる。
また、これくらいの時間ってのが最も気温が下がる時間帯でもある。
今日は寒くないが、ちょっと横になりたいところだ。

ふと脇を見るとバス停がある。
ちょっとここで休憩しよう。

ヘルメットを脱ぎ、バス停ベンチに横になってみる…。
とは言え、夜は明けててクルマもまぁまぁ走ってるし向かいの現場事務所には作業車が出入りするなどでとても寝れる状況ではなかった。
ものの5分も横になっては無いがまぁ小休止だ。これでいいでしょ。
ラスト行きますか。

5:05
再スタートして三次を中心部から徐々に離れて行く。
三次と言って有名なのはサイクルショップ・ツジノ。鵜飼。その次に有名なのが霧。

霧がスんゴイ。
霧ってのは雨みたいなモンだから。その中を走り抜ければ、べちゃべちゃに濡れる訳ですよ。
ブラケットを握っている腕。正確に言えば一の腕の毛に水滴が小さく小さく無数に付いている。おもしろい。草木かよ!って感じ。

風土記の丘ちかくで鹿3頭に遭遇した。
こちらの接近に気が付いてジャンプして藪の中に消えて行った。

その後も国道375を淡々と、本当に淡々と走るがイメージの中では三次から東広島と言えば徐々にでも下って行く下り基調のイメージなんだが、実際はアップダウンがあって全然下り基調ではない。
消化区間でありながらも完全に消化不良区間である。
このことは、BRM919当日に完走したランドヌーズから呪いのコトバをしこたま聞かされたから間違いないであろう。

2号線まで来ればもうゴールはすぐそこ。

8:31 フィニッシュJR 東広島駅

走行距離は403キロ。
午前11時の認定時間に2時間以上の貯金を残しての完走である。

停めていたクルマに戻り、そのまま帰宅し風呂に入って熟睡。
「家に帰るまでがブルベ」
その言葉を今回も無事に完遂することができました。

BRMの試走と言う意味で、気温が異常に暑かった点。道の駅のガンダムは18時以降拝むことができない。この2点を気づいた点として挙げれば、それ以外は特に困難なポイントは無いであろう。あ、あと220キロ~230キロの山の中はDNF困難エリアと言うことも伝えなければだな。

雨に降られなかったのは良かったが、しかしまぁ暑かったな。

獲得標高は3,517mと言うことでRide with GPSでの予定獲得標高が5,128m。
RWGは獲得標高がガバガバだとは有名だが、まぁ6-7割掛だ。

その日の晩飯は消費した9,376Kcalを補給すべく近所で肉。

ってことで、試走とBRM当日を一緒くたに書いたブログになっちまいました。当日のリザルトとしては

エントリー 42名
DNS 8名
完走 34名
DNF 0名

コロナ自粛明けの400kでDNFが無かったと言うのは実に素晴らしいことです。
また、自分の試走では激暑だったけれど919当日は早朝の気温が10℃を下回って寒かったとのこと…お疲れさまでした。

各フォトチェックでメールを送って頂くようにお願いしておりましたが、順次皆さんから届くメールを見る度に、お盆の試走を思い出しあの日の記憶がよみがえり、また、タイトルにある「ガンダムに会いに行こう」との意図も、もしかしたら18時にガンダム到着できる人は僅少なのではないか…って心配をよそに、多くの方がガンダムに会えたようで良かったです。

BRM919無事に終了しました。
今回も事故や怪我もなく終わることが出来たのは、出走された皆さまのお陰です。ありがとうございました。

さて次のブログ記事は呉・高知600kです。

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