ヘルメットについて(長文)

スポーツバイクにおけるヘルメットの必要性について考えてみようと思う。それは、クルマにおけるシートベルトに性格が似ていると前から思ってるんだ。

事故が起きた場合に運転者の身を守るためだけのものであり、事故の対人(相手方)に対しては怪我の度合いを軽減する機能を全く為さないという点において共通していると思うんだ(あくまで自分の身を守るためのだけのもの)。

その意味において、シートベルトを締めないドライバーは万一の際に自分の命がどーなっても構わないと考えている人のことであり、それをわざわざ警察が摘発する行為は税金の無駄遣いと言えるお節介だな。自らの命の大切さに気がついてないとは悲しい限り。
対して、飲酒運転や携帯電話操作しながらの運転は、全く関係のない第三者を被害者として巻き込む可能性が高い行為なので、こちらはもっと厳罰に処する必要があると思う。

法律として決められているからシートベルトをしてない者を取り締まるのが任務とは言え、全く本末転倒。いや、都道府県や市町村単位の事故率や死者数の度合いを競わせて、どの地域が優秀でどの地域が危ないかを競っている以上それを放置できないのも性か…悲しきや。

さて、クルマのことはクルマ人に任せるとして、自転車のことについてより考えてみると、保護具としてのグローブやロングスリーブの意味は転倒した際の擦り傷の度合いを軽減する程度にしか役に立たないが、ヘルメットは人命に直接関わる頭部を守ってくれる唯一の保護具である。

当然、私もスポーツバイクに乗る際には着用している。

ただ、それは万一の事故の際に身を守ると言うこともあるが、実際のところヘルメットがその本来の機能を発揮して、私の身を守ってくれたことは今まで一度も無い。長年自転車に乗ってきて、派手な転倒も何度かやらかしてきたが、運良く頭を打ったことがない。いつも肩から落ちて、あの「胸の痛み」を3ヶ月ほど抱える程度で済んでいるのはやはり、何かに守られているんだろう。

だからと言って、ヘルメットを被らなくていいとは全く思わない。スポーツバイクに乗るなら必ずヘルメットは着用するし、またスポーツバイクに乗る人はヘルメットを被って欲しいと思う。

身近な人で、ヘルメットのお世話になって大怪我を免れた人を何人も知っている。それを見る度に、やはりヘルメット被っていて良かったねぇと本当に感じるよ。

スポーツバイクビギナーの人を中心に「かっこ悪い」とか「髪型が崩れる」とか理由をつけて被らない人がいるが、良く考えて欲しい。自分がこの世から居なくなって誰も困らないし誰にも面倒掛けない人なら勝手にすれば良いが、少なくとも守るべきものがある人はつべこべ言わず被ろう。

俺ちゃれ2010 photo by 仙人.
俺ちゃれ2010 photo by 仙人.

ママちゃりとの違いを考えてみるとよく分かる。乗ってる時間と距離。走る速度。走る場所。全然違うじゃない。それで被らなくて平気なのが不思議。逆か。見た目はスポーツバイクに乗っているようだけど、意識はママちゃりに乗ってるのと大差無いと。ん~勿体無い。

あ、ついでに言えば中学生の自転車通学に義務付けられるヘルメットも可哀相だよね。一番見た目を気にする年頃の生徒に、あんなダサいヘルメットしか選べないなんて。もっと選択の自由度があってもいいんじゃないのかなぁ。昔と違って今は選択肢が増えてんだから。

スポーツバイク上級者は殆どヘルメットを被っている。万一のリスクを認識しているから。また、自転車イベントの際にはヘルメット着用が義務付けられる。イベント中に命を落とされては主催者もタマラナイからね。

しかし、上級者の中にもヘルメットを被らない人がいるのも確か。万一の有用性とトレードオフに格好良さか、プロ選手の真似か、反骨精神か。そのリスクを承知の上で、上級者が被らないことに対しては私は何も言う気は無い。人それぞれ譲れないポリシーがあるのも趣味だから。

でも、ビギナーさんは着用を意識して欲しいね。今から先の自分の命を救うため。上級者は多くの場合、ヘルメットを被ってないサイクリストを「イケてない自転車乗り」と認識する。また、ヘルメットを被っている方がスポーツバイク全体の「スタイル」としてより「イケて」る。

加えて、ドライバーから見た自転車乗りもヘルメットの有無である程度の視認性に違いがあるんじゃないかと思ってる。その辺りは、自転車乗りではない一般ドライバーが、車道を走っている自転車においてヘルメットの有無が心情的に何か違うものか否かを聞いてみたいな。

安いものなら6千円ぐらいからある。頭蓋骨の形は人によって全く違うので、ネット通販で買わず、お店で自分のアタマに合わせてみて一番フィットするものを選んで欲しい。

また、通勤に使う人は必ず着用して欲しい。通勤途上で事故を起こすと会社側に多大な迷惑を掛けるし、ひいてはその事が同じ自転車通勤する仲間にも多大に迷惑を掛けると云うことを認識すべき。野球帽じゃ何の役も立たないから。

まぁ結局のところ、自分の身を守る機能の有無ってところに行き着くので、その点がどーなってもいい人には、とやかく言う気は無いので義務化する必要は全く無いと考えるのはシートベルトと同じだから、最後は自分自身…まぁ良く考えてみて。

2件のコメント

  1. 確かに最初は派手なウェアやヘルメットって気恥ずかしいかもしれないですよね。
    ただ、それだけ、特に車から見たときに目立つ、認識してもらいやすい記号みたいなもんでスポーツバイクが走っている、速度もママチャリとは違うという証というか(大げさか)。

    ヘルメットをかぶらない人ってのも確かにいらっしゃいますが、それは個々の判断でしょうけど、でもできたら皆さんに着用してほしいと思いますね。

  2. yoshi さん

    小難しい話題にコメントして頂き恐縮です。

    気恥ずかしいか…確かにね。ピチッとしたレーパンに抵抗あるってのは聞いたことあるので、それもあるかも。

    ただ、ピチッとしたレーパンも、派手なジャージも、キノコみたいなヘルメットも意味あって、あの形に落ち着いてんだから、思い切って飛び込んでみて欲しいですよね。

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