れぽ1からのつづき。
メルヘンの里新庄から折り返し、これからは蒜山に向けて登って行く。
里で会ったのは代表氏と、もうお一人の方。共に健脚の方だ。
そんな方々と同タイミングで同地点に着地できていること自体が自分としては非常に珍しい。
ここ最近の野呂トレの甲斐が出ているんだろーか。

蒜山方面であろう方面の山のお姿。
上の方が雲の中状態。あぁ~いよいよ雨なんだろうな…と、ちょっとげんなり気分。
標高を順当に上げて行き、峠にあるトンネルに入る。
確か野土路トンネルと言う名だったと思う。長いトンネルだった。
で、ここに至る登坂と長いトンネル。以前にお訪れた記憶がある、3年ほど前に蒜山焼きそば食べにみんなで来たな。
あの時、このトンネルを抜けた左手に広がる絶景に歓喜した記憶がある。
よもや、本日も…

ガーン…
トンネルを抜けると辺り一面の霧だった。何も見えない。
行く先の道50メートルほどが有視界か。
前回の600kの時は激しい渋滞だった蒜山高原の道も今日は静かなものだ。
スルスルと走り、PC1のセブン到着。流石に今日はS女史降臨せず(笑)
PC1蒜山上福田店18時24分打刻。
自分の他に2名のランドヌールがいたと記憶している。
画像は獲り忘れてるな。
補給を終え出発。登り。登り。
蒜山の遊園地が見えてきた。静まり返っている。

それもそのはず。時刻は19時前。
人っ子一人いない。
山の遊園地ほど、昼夜のにぎわいの差が激しい場所もないだろうな。
ひとり蒜山高原を走り行く。

気温15℃。
このくらいが走るにはちょうどいい。降らなければ。の話。
前に一人のランドヌールの姿が見える。ハンバーガーサドルバック氏。今日は良く逢いますね。
良く逢うと言えば彼も。

蒜山高原ではいつも会いますな。

この石、前回も見たな。
ここからいよいよ大山へのアタックだ。そして夜も来る。
夜の訪れと同時か、標高につれか分からないが霧が更に濃くなってきた。

ここから先は画像なし。
大山のすそ野をひたすら登ってた。ただ一人で。
幸いなことに雨は降らず。
風も…
風が全くの無風。
鳥の声も止む夜。無音。全くの無音。シーンっと静まり返る森の中。
そしてもちろん漆黒の闇。
静まり返る森の中をハァハァ(*´Д`)言いながら登って行く。
夜ブルベは怖くて出れないと言う声も良く聞く。
そんな方は、この雰囲気がいたたまれないんだろうな。
確かに快適ではないが、何かの雰囲気を感じるとかそんなのは無い。淡々と通り行くのみ。
登坂が終わり、下った先が何か賑やかだ。

時刻は20時半。
何かのイベントのようだ。多くの人々。そして聞こえてくるバンド演奏。
曲はベンチャーズのダイヤモンド・ヘッド。
こんなシーンでベンチャーズの生演奏が聴けるとは思ってなかった。
近隣の自販機で水を補充し先を急ごう。
20時40分。第2チェックポイント。モンベル大山に到着。

ここも通過証明は写真撮影。
撮っている最中、親子連れが前を歩いてた。近くに宿泊施設があるんだろうな。
さて、モンベルを終えるとここからは激下りだ。ウィンドブレーカーを羽織り、下ハンでブレーキをしっかりと握りる。かなり斜度のある下り坂はひたすら真っ直ぐに米子に向かってくだっていた。
9時頃だろうか賑やかな街中を通り行く。山陰のメイン道路、国道9号へ出た。

米子を離れ、弓ヶ浜半島を境港方面へと向かう。まだ雨には遭遇してない。
米子から先、米子鬼太郎空港を左手に北上するんだがペースが上がらない。速度20キロ前後だったかと記憶してる
若干ハンガーノック気味のようだ。
いま向かっているPC2のコンビニ以外にも幾つもコンビニはある。そこに立ち寄ればいいだけの話なんだが、意固地なオッサンは「あとちょっとだから」みたいな気で目の前のコンビニをスルーしてしまっている。
サッと寄って何か食べれば元気回復するのは分かっているんだが、それが出来ないんだよね。
22時38分のレシート打刻でPC2ローソン到着。ここでも画像撮ってない(後悔)。
本日のディナーはカップ麺とおにぎり。店の裏手で隠れるように食べる。
ローソンに居た間に他のランドヌールには遭わなかった。
食べたら元気も復活(当たり前)、次へ向かおう。
次は近い。本日のメインイベント、水木しげるロードだ。
通過証明はここの妖怪とのツーショット写真。いや、ルート設計に感謝だわ♪♪♪
もう勝手知ったる、こなき爺の像へと一目散。
あれ?
水木しげるロードを行き過ぎてしまった。戻る。
こなき爺、見落としたな。俺としたことが…疲れてんだろうか(半笑)
もう一度ロードを通るが、やはりこなき爺像が無い。
おや???
そう言えばブリーフィングん時に歩道の改修工事で像が幾つか無くなってる…みたいなこと言ってたな。
もしや…
戻りつつ、記憶にあるこなき爺像の場所へ着いた瞬間に見つけた悲劇がこちら。

なんってこった!!
こなき爺像、足元から撤去されてんじゃないか!!!!
あった場所はアスファルトで簡易舗装されている。
マジかよー。なんでだよー(激凹む)。
くそー、工事終わったら戻しとけよ、絶対!!!
仕方ない。おざなりな像とでも撮っておこう。

主人公なんだが、自分としてはどっちでもえぇキャラにて撮影。時刻は11時18分。
さて、次行こう次。次は美保関灯台だ。
美保関灯台。若い頃、奥さんと良く訪れた思い出の地だ。
だが、流石に真夜中に訪れたことは無い。
境水道大橋を渡り美保関方面へ。
灯台から折り返して来ているランドヌールとスライド。早いなおい。
灯台は岬の先っちょで、かなり坂道を登ったような記憶だったが、意外と短い坂だった。
恐らくは大山で感覚がどうにかなっちゃってんだろう。
魚港を過ぎ、美保関灯台の駐車場到着。232キロ。
まっくら。
灯台の灯火はサーチライトのようにぐるぐるしているが、それ以外の明かりは無く、歩道は真っ暗だ。
ここで灯台と共に通過証明の写真撮影って言ってもねぇ…
灯台の灯りのところまで行く。ここで撮るしかないな。

上の方でぐるぐる回ってる本来の灯台の灯火はタイミング合わず撮れない。
岬の先っちょにある岩礁定点で照らし出している灯りのみの撮影だ。仕方ない。
撮影時刻0時4分。
沖の方を見ると水平線に近い辺りに幾つもの灯りが見える。
山陰名物、イカ釣り漁船の灯りだろう。
イカ釣り船の灯
灯台を出発すると向かうは松江。来た道を戻る。
しかしどっかで短時間でも仮眠しとかなきゃだな…。
水道大橋から灯台に至る道の途中で、先ほど目を付けていたバス停がある。
三方をトタン板で囲まれベンチのあるバス停。ブルベ走るヤツらの人気スポットだ。
ここでちょっと横にならせてもらったが、残念ながら眠いタイミングではないらしく寝れない。
これが夜ブルベの難しいところよね。
眠いタイミングは波状攻撃のようにやってくる。仮眠をとるのに適した場所もどこにでもある訳ではない。
かなりイッちゃってる人は『道端でもどこでも寝りゃぁえぇじゃんか!』って猛者もいるが、自分はまだそこまで幸か不幸か達観してない。
道端でま横に寝てて通報されちゃった(テヘ って話も聞く。
なので、仮眠場所はある程度選びたい。選ばせてください(懇願)。
で、ここのバス停で寝れずにちょっと休憩しているとT田代表ともうお一方のランドヌールが通過して行った。
代表とちょっと会話して再スタート。もちろん寝てない。私だって寝てないんだ!!
松江を過ぎ、出雲路地センチュリーライドのお約束、広域農道のノコギリ峠を幾つも通り行く。
この辺りも前回の600と同じルートをトレースしている。
前回失敗したコインランドリー作戦は今回は適用見送りしている。
PC3ファミリーマートJAいずも平田店到着。
288キロ。レシート打刻3時09分。
特段にお腹は空いてない。菓子パンと水だけを購入。
ブルベ中盤以降、食欲がなくなるのは自分としては珍しいことではない。
まぁ、それでも走れるんだから問題なし。
しかし、睡魔だけは何とかせねば。
PC3を出て間もなく。睡魔がいよいよ本格的に襲ってきた。急激なるペースダウン。
小雨も降り始めている。やヴぁいどっか屋根のあるとことでちょっと仮眠したい。
ふと、倉庫のような建物が左手に存在していた。
庇(ひさし)が大きく張り出た倉庫だ。あの庇の下なら雨はしのげる。
風は無いので壁がないところで十分だ。
画像は撮る余裕ないので、Googleのストリートビューでその場所を探してみた。
これだ…

この倉庫の庇の右端のコンクリート面。
お世話になりました。
どれくらいの間、寝てたんかは分からない。
だが、横になれたことが十分に有難い。
当面の睡魔は去った。再スタート。出雲よさらば。
出雲を出てからは国道9号線と交わる辺りで「どうしてここを通す?」的なえらく細い山道を登らされる。
最短距離でゴール地点を目指すためのルートとは思うが、ちょっと荒れてる。まぁ、距離も短かったんで全然OKなんですがね。
この時期の山陰地方。空が明るくなってくるのは4時半とかだ。

雨は小雨状態が降ったり止んだりを繰り返している。

その都度レインを着たり脱いだり。時間の無駄だ。
国道54号に乗り、キューシートの区間距離44キロと言う、まぁ何とも退屈な道をとぼとぼ登る。
昔の54号だと大型車両が昼夜たがわず爆走しててとても危険だったが、今はすっかり静かになったものだ。クルマは皆無。
まぁ環境変化がないので眠くなるわな。
レイン脱ぐタイミングで停まって、うずくまって目をつぶる程度。
寝たような気分にはなるが実際のところ寝てない。
そんなのを2、3回繰り返したかな54号線。
そうそう、ここらのトンネルで不思議なものを見つけたんよ。
確か、2か所のトンネルで同じものがあったと記憶してんだが、ここらのトンネルって歩道が無い。
クルマ専用って感じ。

まぁ、近くに民家も無いので歩く人や自転車で通ろうって人も無かったんでしょう。長らくの間。
しかし、この閑散とした54号線も活性化のアレでお約束のサイクリングロード色が強まり、もはや自転車のために道を作るんじゃないかと言うような雰囲気すら…無い。
で、この画のようなクルマ主体のトンネルをサイクリストに安全に通って頂くための施策が施されていた。

ボタンを押せと書いてある。
ボタンの下には自転車のアイコンも付いている。

押せと言うので押してみた。PushMe.
すると…
何が起きたかと言うと…

警告灯に文字点灯。
上の画は歩行者に注意とあるが、自転車に注意との表示にも随時切り替わっていた。
で、この警告灯はトンネルの入口もだが、トンネル内の天井にも2箇所あった。
まぁ有難いと言えば有難いが、トンネル内を走行する自転車がどれだけドライバーに「発見」されやすいかはサイクリスト自身の意識によるところが大きいので、テールライトや反射板、反射ベストを常用するのが最善であり、やはりブルベの装備ってのは幾ら自己責任とは言え、安全への配慮がなされている訳でGood.
普通のサイクリストでも、トンネル内走行の時は夜間同様にテールライトは点灯させるのが良いんじゃなかなろうか。
この先はいよいよ県境の赤名峠越え。その前に…

(こなき宅では)有名な蕎麦屋。一福。前を通過。
当然、朝の7時半では開店してない。惜しい…
キューシートの区間距離44キロの先にあるのはPC4。ローソン ローソン・ポプラ飯南赤名店。
レシート打刻は7時59分。ここでも画像なし。
買ったのはサンドイッチと水のみ。
赤名峠を越え、広島県に戻ってからは淡々と走りゴールを目指す。
あと50キロも無い。大きな峠越えももう無い(ハズ)。
眠気の再来なく走っていると、道路左手の上の方の草むらでガサガサッと何かが猛烈な速度で走ってる音がする。
そして、その音はこちらに向かっている!近付いてきた!!
なに!?
そいつは草陰から飛び出してきた!!
ワッ!!!

いわゆるベビーヘッド。
赤ちゃんの頭ほどの岩が落ちてきて、バイクの左脇すれすれをかすめてアスファルトへ落下。
ゴトッと言う鈍い音と共に3つに割れた。
とっさに右に逸れたから直撃は免れたものの、あとちょっと反応が遅れてたらトップチューブが割れてたかも(滝汗;
あぶねー!!!
長年自転車乗ってきたが、落石の直撃を受けたのは初めてだった。
やー、危なかったぁ~…
その後、林道のようなところを通ってると、妙なヤツを発見。
一度はスルーしたものの、戻って撮影したのがこちら…

お前、ハト。白いハト!
青い服。
テメー、あれだろ。
20年ほど前に県内では一世を風靡したキャラだろ。
ツレのピンクの女の子はとは、その後仲違いしたのか!?
えー、なに大会じゃったかいね。
あ、そうそうアジア大会!!
何故か遠くを見つめてウェイターのように上げた左手に悲哀を感じるのでした。
ぽっぽととっとと先に行きましょう。
で、最後の最後にまで激坂が仕込まれてるあたり、コース設計者の悪意愛を感じたですね。
ゴール地点は高田インター前のポプラ。10時半到着。

到着した際におられたランドヌールは2名。
お疲れ様でしたの挨拶を交わし、今回の反省点などを述べる。いやはやお疲れでした。
ここのポプラのレジ打ってるおばちゃんが、こなきの着てた鬼太郎ジャージにエラく喰い付いてきて、そんなデザインの服があるんだね。で、今日は何処まで行ってきたの、え、400って…馬鹿じゃない。それでそんなに沢山自転車にライト付けてんだ…みたいに多大な会話をしたのでした(笑)

お約束のブルベカード記入事務手続きを行いまして、終了。

スタート地点まで戻り、たかみや温泉に浸る。
あぁ~…癒えるぅ~…
湯につかりながら窓の外を見ると、猛烈に雨が降ってるじゃないか。
げ、まだ走ってる人もいるんだが、彼らびしょ濡れなっちゃったんだろうな…
って、湯の中から健闘を祈ってました。
で、祈ってるとお腹もすいてきたので、隣接の飲食店で食事。

無難なとんかつ定食。
窓の外は相変わらず良く降ってます。
お風呂でサッパリし、お腹が満たされ、外に出ると大先生がびしょ濡れで帰ってきた。
あー、やっぱりあの雨に遭遇しちゃったんですね。お疲れでした。
終わってみればDNF者は無く皆さんそれぞれの400kのロングライドでしたね。
400k完走。
これで今年SRを獲るためには、残すところ300を走るのみ。
その前に、悪魔の左手があるですな。
大山を登ってたり降りたりを5回繰り返す、悪魔の左手。
完走できるかどうかは100%自分次第。
装備は軽めで行きましょう。