先日のコメント欄で、ひらまつさんからDi2について振られたんで、Di2に対するこなきの個人的な考えについて今回は書いてみたいと思います。
Di2ってなに? って方のために簡単に書いときますと、日本のシマノ社(釣具のリールとかが有名)が作っている、電動のディレーラ(変速機)のことで、ディレーラーとは自転車のギアを重くしたり軽くしたりする部分のこと。ハンドル付近に付いているレバーとワイヤーで連動していて、手元のレバー操作でギアを重くしたり軽くしたりしている。
リア・ディレーラー
普通のままちゃりでも、右手の握るところに「1・2・3」とか書いてあって、それを回すと後輪の軸のところに付いている「ちんすこう」みたいな部品が右左に動いてチェーンを動かしてくれている。そのお陰で、坂道は軽いチカラで、平坦な所では速いスピードで自転車を漕げる。
通常(と言うか古来)、このレバー → ワイヤー → ちんすこうの3連結は「手動」であった。指のチカラでグィと押すとちんすこうも連動して動いていた。 が、電モノに強い日本メーカらしく、レバーをスイッチに置き換え、モーターで動くちんすこうを作ってしまったんだ。
その電動ちんすこう(何て言う例えなんだ、自分でも書いてて訳わからんなってきた)の一連の仕組みをシマノが「Di2(Digital Integrated Intelligence)」と言うネーミングで売り始めたと。で、この電動の仕組みってのがまだ登場して月日が浅いこともあり、自転車乗りの間でも賛否両論あるブツとなっている。
現在市販されている電動シフターは2種類あり、シマノ・デュラエースDi2と、シマノ・アルテグラDi2があって、価格は前者がざっくり20万、後者がざっくり12万円となっている。
Di2
(ここまでが、前置きね)
「Di2スゲー!もう昔には戻れねぇ!!」って人もいれば、「なんでわざわざ電モノにせなきゃならんの」との意見もある。 乗り方、走る場所、財力(これ大事!)は人それぞれで、適材適所ならぬ適材適人であり、Di2が宝の持ち腐れな人もあれば、鬼に金棒の人もいる。
で、電動にすれば何が幸せになるのかと言えば、今まで指のチカラで動かしていたギアがマウスのクリック程度のチカラで動いてくれる。基本的にはそれだけ。 そこから感じ取れるものは人それぞれ違うと思うので、CBNあたりのレビューを見て、使った人の感想は見てみて。
レースシーンの後半、先頭集団の中に身を置き、壮絶なデットヒートを行うような人にはDi2が適していると思うが、こなき自身は、レースやらないのでDi2は必要無いと考えている。昔ながらの手動式で十分(と言うかダブルレバーにいまだに未練がある)。使う人それぞれのシフターで良いと思う。よって、乗る側の人にしてみればDi2の登場は選択肢がより広がったと解釈して良いのではないか。
でもね…
こなきが一番憂いているのは、売る側の問題だと思うのよ。販売店と言うか、小売店の技術者の問題が大きいと思う。
電動にすることにより、ワイヤーのテンション(張り)は気にしなくて良くなるし、ハンドル周りのワイヤーの取り回しも楽になる。これって、素晴らしいロードバイクを組み上げる技術者の技術力の低下を招くんじゃないかと。
それなりに組み付けておけば、あとはコンピュータ側の調整でどーにかなると(実際は、そんなに簡単じゃないとは思うが)。
簡単に組みつけられると言うことは、シマノから見れば品質の均一性が保たれると言うことにもなるだろうし、腕のいい技術者のいるショップじゃなくても、量販店レベルのショップでもそれなりの組み付け品質でロードバイクを仕上げて販売できるようになると。ひいては販売量の増加が見込め、量が売れれば単価も下がるとの好循環。
でも、ソレって長い目で見れば自転車界全体の技術力の低下を招く事態じゃないのか。
例えば…
最近はLEDを使った照明器具が登場しているけれど、LEDは基本的に「タマ切れ」が無い。蛍光灯や電球の頃のように、交換の手間が無い。でもひとたびLED照明器具が点灯しなくなった際には、器具全体の買い替えとなる。
使う側からすれば、電球を替える手間が無いと言えるけれど、言い方を替えれば電球を替える技術が失われるとも言えるんじゃないか。
大の大人が電球のひとつも替えることが出来ない。情け無いじゃないか。そんな未来で本当に日本は大丈夫なんだろうか。
クルマのリアのスライドドアもすっかり電動が多くなり、ものの数年もすれば子どもたちの間で「オレ、自分のチカラでリアのスライドドア閉めれるんだゼ!」って自慢になんのじゃないか?
実話だが、秀才な女子高生なのにトイレで用を足した後、自分のモノを流すことをしない娘さんが居ると。その娘さんの自宅トイレは、用を足した後、その場を離れれば自動的に流してくれる便器であり、他人様のお宅にお邪魔した折に用を足し、自分のモノがその場に残ったままになっていると。
そんなんでいいのか、これからの日本!
翻ってこのDi2に始まる電動化の波は、愛すべき自転車界に本当の福音をもたらしてくれるのだろうか。
どうも、こなきは怪しい気がしてならない。テクノロジーの進化は必ずしもひとを幸せにはしてくれないんじゃないか。ここ最近のテクノロジーの進化を見てて、Di2の、いや自転車界の未来を憂う。